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――Sizuo side――






その気持ちに気付いたのは最近。
だが、いつからそんな感情が芽生えていたのか。
それは俺に至ってそんなことはないと思っていたから、それはわからない。
それに、あまり深く考えてはだめだと思っているから。

「はぁ……」

今日はこれで何度目のため息だろう。
まさか俺が臨也を好きになってしまっただなんて自分でも驚きだ。
俺はふとケータイに目をやると、ある事が思い浮かんでくる。
――まさかアイツ、俺からのメール、待ってたりなんかしてないよな…?
そんな考えが頭に過ぎるが、すぐにそれを打ち消す。

――きっとないだろう。

だってこの前までは俺にとっても、ただの暇つぶしくらいにしか思ってなかったのだから。
今では大切。だからこそ、"お前に会いたい"。その一言が言えないのかもしれない。














20110608
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