つまり鈍感
鈍感───それがコイツ、折原臨也の隠れた特徴である。
まあ、そのことに気付いたのはつい最近なのだが。
「なあ、今週の土曜日って予定あるか?」
今日こそはデートに誘おう。そんな期待を胸に抱きながら俺は臨也に好意を抱いているやつに邪魔される前に、路地裏へ連れ出して、臨也から予定を聞き出す。
「?なんでシズちゃんが俺の予定聞くの」
目をぱちくりと瞬(まばた)きさせながら疑問そうに問う。
俺は慌てて訳(という名のデートの誘い)を話そうと口を開いた。
「いや、あのな」
「あっ、もしかしてスパイ頼まれたとか?あはっ、残念だね見破っちゃいました〜。そういうことなら俺は一切話さないからね」
……デートに誘うはずだったのに、どうしてこうなってしまったたのだろうか。当の本人はそんな俺の気持ちに気付く様子もなく、面白げに笑う。
──あーもう。
こんなにも空回りしているのに、こいつの笑顔を見るとそんなことどうでもよくなってしまう。やっぱ臨也はなんだかんだいって可愛いし。
そんなことを思いながら俺はぽん、と臨也の頭に乗せ、臨也の髪を掻き回す。
すると臨也は一瞬驚いた顔をしたものの、すぐにはにかんで「一体どうしたの」とぐしゃぐしゃになった髪を整える。
「お前のこと嫌いじゃないぜ」
それが今言えることだと思い、俺は臨也の目を真っ直ぐ見つめながら言葉にする。
すると、思いの外臨也に伝わったようで、顔を俯き頬を少し赤らめながら「ふーん……そう」とつぶやくように言った。
灰色兎さんリクエストどうもありがとうございました!!
臨也さんが鈍感なんてすごく俺得で楽しかったです!
本人様に限りお持ち帰り、リテイク可能です。
ありがとうございました〜。
20110605