MAIL[15] | ナノ


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 心のモヤモヤを抱えたまま、1週間、1ヶ月と、悪戯に時は過ぎていった。
今もまだ連絡が来ない。
俺はベットに思い切りダイブをし、ため息を吐く。

──ため息を吐くと幸せが逃げる。

そんな迷信もあるけれど、今はそんなの気にする余裕もないし、ため息でも吐かなきゃどうにかなりそうなくらい気が滅入っていて。
悲しい、寂しい。
いろんな感情が俺を取り巻いていく。

無意識にケータイをパカ、と開くが、何度確認してもメールは0件。
何かあったのかな。それとも俺とメールするのが嫌になったのかな。
そんな心変わりなんて有り得ることだし、それも十分わかりきっていたはずなのに、目から溢れでた涙が頬につたう。

「……我が儘なのかなあ」

誰もいない寝室の中で一人つぶやくと、俺の涙腺が再び緩んだ。
──俺の泣き虫。






――静雄side――


臨也と連絡しなくなって、一体何日たっただろう。きっと何ヶ月かの時が進んでる。
あれから臨也から何度かメールが来たけれど、俺が返信しないことを境に、連絡が途絶えた。諦めてしまったのか。

本当は忙しくなんかない。
単なる臨也への言い訳。

だって、俺は気付いてしまったから。
──臨也のことが好きだってことを。







20110516
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