リア充!
「ねぇ今日晴れてるよ」
「ん」
「シーズちゃん」
「うるせぇ」
「構ってよー」
俺は布団に包まるシズちゃんをゆさゆさ揺さぶる。今日は日曜日だというのに、シズちゃんはどこも行く様子も見せず、朝からずっとこんな調子だ。
実はこの前から、俺とシズちゃんは一緒に暮らしている。シズちゃんから「同棲してくれ」と単刀直入に言われたからだ。
それがどこか男前に見えて、ついついOKしてしまったけれど、今では住んでよかったかも、なんて思い始めている。
だけど、一日中一緒に居る、というものは中々慣れないものだな。
「おなかすいた」
「適当になんか作りゃいいだろ」
「つまんない」
「石ころでも蹴ってろ」
「それはさすがにひどいよ!」
何度起こしても、シズちゃんは一向に相手をしてくれない。そんな腹いせに俺は眠っているシズちゃんに思い切りダイブした。
するとシズちゃんは反射よく「いってえ!」との声を上げ瞼を開けるが、あまり痛そうではない。そんなシズちゃんは俺に気付くと途端に、またテメェか。そう言いたげな目で俺を見る。しつこくてごめんね。反省してないけど。
「重てぇよ」
「へへ」
やっと起きてくれた。
そのまま言葉にすると、シズちゃんはつられるように笑い、シズちゃんに跨(また)がる俺の頬に触れる。
「くすぐったい」
むずむずするような感覚。だけど、今まで眠っていたからなのか暖かいシズちゃんの手の温度が心地好い。
そんなことを思っていると、今まで横になっていたシズちゃんが急に体をがばっと起き上がらせ、俺とシズちゃんの体が向かい合わせになる。
「寝過ぎだよ」
「…おう」
まだ寝ぼけているのか、目がうつろになっている。
その姿にクスクスと笑いながら「眠い?」と聞くと、シズちゃんは躊躇う様子もなく「眠い」と言い、あくびをする。
「なにか食うか」
「そうだね」
「なに食いたい?」
「ね、その前に………」
「?」
ちゅ。
静けさのある部屋に甘い音が響く。シズちゃんは一瞬目を見開いたが、すぐに状況を理解したようで、「ああ」と軽く頷く。
「おはよ」
そうにこやかに笑って言うと、シズちゃんもまねをするように俺にキスをして、同じように「おはよう」と微笑んだ。
「よくじょーした?」
「…してねぇ」
キリ番リクエスト『絵のリア充シズイザを文に』でした!リクエストありがとうございます!
20110511