MAIL[2] | ナノ





メールでも無愛想だなんだね。シズちゃんは。

俺は指を滑らせ、メールをぽちぽち打ち始める。
だがケータイを使うのは手慣れているため、約数分でメールの本文が完成した。

『そうかもね?てかシズちゃん文短いよ』

たぶんもう既にシズちゃんは俺だと気付いているだろうけど、あえて言わない。
機械音を耳に、俺は送信ボタンを押した。

返事が返ってくるとは思ってないはずなのに、心のどこかで期待している自分がいる。そんな自分に嫌気がさす。

俺は小さくため息をつき、再び仕事に取り組んだ。まだまだ仕事は残ってる。頑張らなければ朝のうちに終わらないだろう。その事を頭の隅に置いて、俺は無理矢理気持ちを切り替えた。

集中しなきゃ。
集中、集中。



そして――朝。
太陽の光が昇りつめる。

結局、こんな早朝まで仕事をする事になってしまったが、無事溜まっていた仕事が片付いた事が何より嬉しかった。
今は優越感と達成感でいっぱいだ。

これでしばらくは安心できるだろう。良かった。そんな安心感に包まれた俺は、一気に肩の力が抜け、ほっと胸を撫で下ろした。その時、静かな室内に、ケータイの着信音が鳴り響く。

「……!」

めしかして、と思いつつ俺はバッとケータイに手を伸ばし、騙し騙しにそのケータイを開く。
Eメールが1件。アドレスめ表示された名前も、全部期待していたものだった。



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