MAIL[12] | ナノ





MAIL[12]






それからまた数分の時間が流れてから、ケータイの着信音が鳴り、俺は内心ドキッと心臓を跳ねさせながらもメールボックスを開く。

シズちゃんだ。

さっきから返信早いんだけど、どうしたんだろうか。
微かな変化に疑問を感じながらも、書き記されてる文章を読み進めていく。

『バーカ。俺は別に謝ってほしいわけじゃねえし、もっと誰かに頼ってもいいんじゃねーの。ってことだ。ついでに言っとくけど迷惑なんて思ってねぇから』

ただ、直接ありがとうと言いたくなって、ものすごく心が暖かくなった。
自然に顔が綻ぶ。メールだけでこんなに嬉しくなるなんて、初めての経験だ。

俺はぽわぽわした気持ちのまま、文字をひとつひとつ入力していく。

『ありがとう。元気でたよ〜w』

簡単にまとめたけど、これが今伝えられる精一杯の気持ちだと思う。
本当はありがとうを何度言っても足りないくらいだけど。
シズちゃんが本当はすごく他人に優しい事は既に知っていたけど、ここまでとは正直思わなかった。俺は大きくため息を吐く。
シズちゃんからメールが送られてくるたび、嬉しくなって悲しくなって安心して。感情を表に出しすぎだとも思う。

やっぱり俺、シズちゃんの事嫌いじゃないかもしれない。

もしかしたら恋する方の好きかもしれない。

ただシズちゃんに恋をしているみたいな自分。
好き、かもしれない。シズちゃんの事。これを聞いたら、シズちゃんはどう反応するだろうか。
きっと、いや絶対引くだろうな。そしたらまた自身の言動で落ち込んだ。

そんな事を思ってしまう自分のおかしさに寒気がする。
はぁ。俺は一体何をすればいいの?何をすればこの自体が丸く収まるの?






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