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ベルン近郊、そこで僕達は反乱軍の残党と対峙していた。
「ルゥ大丈夫か?!」
「ローク…」
サウルを引き連れ駆け寄る。“もう少しだからな!”と頻りに声をかけてくれる。
「…よし、多少骨に罅が入ってますが…数日経てば治るでしょう。ロイ様には私からお伝えしておきますよ」
「ありがとうサウルさん」
お礼を言われてにこりと会釈すると占拠地に帰って行った。残党は三人と少なくロークが一人で倒したようだ。
「どうして僕がここにいることわかったの?」
「夜な夜な占拠地をこっそり抜けてるのはバレバレだぞ」
「うっ…」
「チャドから聞いたが…弟を捜してるんだろ」
「そうだけ…うわっ!!」
突然体が浮いたと思うと目線は夜空いっぱいになった。ロークがルゥを肩車して占拠地へゆっくりと向かう。
「俺もお前が占拠地抜け出すときこっそり後を追ってたんだ。ちょっと目を離した隙に残党に囲まれて傷負ってたみたいだから急いでサウル呼んできたんだ。エレンさんの方が良かったか?」
「ううん…。レイは意地っ張りだけど…怖がりだから…早く見つけて安心させてあげたいんだ。僕の私情で同盟軍のみんなに迷惑かけたくないし…」
「ルゥは強い魔導士だ。いくら強いからって一人で出歩くのは感心しない。だげと傭兵の俺とお前で行けば問題ないと思う。オマケにチャドも道連れにしていくか」
「ありがとう。僕ね、孤児院でも歳が一回りくらい上だったからあんまり歳の近いお兄ちゃんって…いなかったからなんか新鮮だなぁ」
小さくそう呟いたルゥは笑顔でロークの頭に手を添える。
「頼りにするねローク!!」
「任せとけって!」
右足首のケガ
(でもなんだかちょっと心配かな…)(なんだと!?)
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