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「どどどっどどどうだ!」

「ねぇ…レイ、どいてくれない?」
イリスが俺を迷惑そうに睨みつける。だが知ったこっちゃない、この女に思い知らせるんだ、俺が男だってことを。

「俺がその気になればアンタなんて押し倒すの容易いんだぜ」
髪をすくい上げて唇へ運ぶ。この間サウルが女相手にやってたことをそのまんま真似してみた。だけどこの鈍感女には全然通じてねぇな…。なんか腹立つな

「いっちょ前になったつもり? お子様はお子様らしくしなさいな」

「うるさ…あっ!」
挑発にまんまとのって少し力を緩めたほんの一瞬、立場が一気に逆になった。
俺が地べたに身をゆだねてイリスが空に溶け込んでいた。

「形・勢・逆・転」
妖艶に笑うイリスに悪寒が走り冷や汗が垂れる。段々イリスの顔がレイに迫り、反射的に目を閉じた。吐息がかかるくらい近くに差し掛かると心臓が跳ね上がるくらい鼓動が収まらなかった。

「ひゃっう…!」
耳に吐息がかかって変な声が出た! 恥ずかしいじゃねーか!!

「レイ可愛いじゃない」

「うるっせー!!」
真っ赤になった顔で、しかもうっすら涙目で…顔を覆いたいけど両腕をガッチリ押さえられててそれすらも許されない。
その様子をニヤニヤと笑いながら眺めているイリス。

「頼むから…もう…許して……くれ」

「仕方ない、その可愛らしい泣き顔に免じて解放しましょうか」
イリスが起き上がり何事もなかったように服のほこりを払う。


「覚えてろよ!! いつかその顔をトマト顔にしてやるからな!」

「お待ちしてますよレイちゃま」









いつか逆転する日まで
(早く大人にならねぇと!)(トマト顔って…)












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