雨の唄
短編 GOD EATER / GOD EATER BURST
お願い、ソーマさん!
遂行するよう指示を受けた任務の資料に目を落とし、半ば絶望する。絶対無理。
一人でプリティヴィ・マータなんて。
しかもこんな時に限って、頼れる第1部隊のコウタもアリサもリンドウさんもサクヤさんもいない。
さらっと助けてくれる防衛班のタツミさんとブレンダンさんとジーナさんも。
そうなるともう、私を手伝ってくれるかもしれない人は一人しかいない。
「ソーマさん!」
「…お前か。なんだ。」
「任務付き合ってくれませんか?」
「…断る。」
「そんなこと言わずに、お願いします!」
「他をあたれ。」
「ソーマさんしかいないんです!」
「いるだろ、そこに。無駄な、話をしてる第3部隊が。」
…その言い方だと、話が無駄というより、第3部隊が無駄みたいに聞こえる。
ソーマさんが顎で指し示した先にちらりと目をやった。
幸いジーナさんはいないから、今のはシュンさんとカレルさんのみに適用されることになる。
ちょっとホッとした。
「なんでだよっ!」というツッコミと冷ややかな視線はスルーすることにして、改めてソーマさんの方に向き直る。
「お願いします!」
「断る。」
「そこをなんとか!」
「くどい。」
「ソーマさん…。」
「…………。」
じっと、すがるような瞳でソーマさんを見詰めた。
じっと、じーっと。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「………っ。」
「…………。」
「〜〜〜っ!!」
やがて観念したようにソーマさんはうなだれる。
「…支度しろ。」
「わぁい!さすがソーマさん!ありがとうございます!」
「…………。」
喜ぶ私を背に、ソーマさんは深いため息を吐いたのだった。
−了−
あとがき
リーダーの おねがい こうげき!▼ソーマは たえられない!▼
…って感じで。
さりげなく“手伝ってくれるかもしれない人”の中にカノンがいないという…。
2011/04/09