雨の唄

短編 GOD EATER / GOD EATER BURST

ナレーション:コウタ

それはある日の昼下がり。

いつもと何ら変わらないアナグラでの出来事だった。


「ソーマ…。」


なぜかやたら切羽詰まった様子で俺のもとにやってきたのは、うちの部隊のリーダー。

詰め寄るように迫ってきた彼女は、切なげな瞳で俺を見上げる。


「私、気付いたの…。」


頬を赤く染めて、彼女は小さい声でそう語り出した。

その普段と全く違う雰囲気に、俺の期待は高まっていく。


「私ね、ソーマのこと…。」


ごくり、と唾を飲み込んだ。


これは、アレか?

いわゆる告白ってやつか?


ずっと片想いだと思っていたが、実は両想いだったのか?

それとも俺の遠回しなアプローチがやっと伝わったのか?


何にせよ、ついに来たぜ、俺の時代!

もう誰にもチェリーボーイだなんて言わせない!


「勝手に人の心をねつ造するなっ!!」

「えーっ、事実だろー?」

「違う!!」

「ソーマってチェリーボーイなの?」

「そんなところに着目するな!」

「否定はしないんだな!」

「黙れっ!!というかむしろどっか行けっ!!」
−了−

あとがき

実は最初から最後まで、セリフ以外の部分は全てコウタが(声に出して)語っていたのでした。
…きっと彼女は、ソーマの望むセリフを言ってはくれないでしょう。
少なくとも、今はまだ。
2011/04/06
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