act.25




クリーニング屋さんになんとか服を預け、(春夏秋冬全部の服を持っていったのでびっくりされた)外で待っていた陽日先生に声をかける。

「陽日先生、お待たせしました」

「おー、じゃあなんか食って帰るか!」

「え、おごってくれるんですか」

「おお!500円までならな!」

「………………………」

「仕方ないだろー!金ないんだよ!」

仕方ないのでクレープをおごってもらいました。チョコバナナクリーム美味いぜ。

「陽日先生、それなんですか」

「オレのはレアチーズストロベリー」

先生チョイスが女子高生だよ。でもいいなあ、美味しそう。

「先生それ一口くださいよ」

「ええ!やだよ」

「なんでさケチ」

「嫌なもんは嫌だ」

「ちぇっ先生のチビ!」

「誰がチビだ!」

陽日先生はケチだなちくしょう。今度ひっそり身長縮む呪いを掛けてやる。そう策略しながら、クリームの中に紛れたバナナをかじる。
すると不意に、陽日先生がボソリと呟いた。

「だめなんだ………なんて、そんなもの」

「?陽日先生?どうしたんですか」

「あっ?い、いや、なんでもない。ほら、朝野、さっさと食って学校戻るぞ!」

「はーいはいはい」





















「あれ、陽日先生と咲月ちゃん」

「よお、水嶋」

「こんにちは」

学園に戻ると、水嶋先生が暇そうにぶらついていた。

「水嶋先生暇なんですか」

「いや、図書館で本読んでたんだよ」

「ふーん」

そうなんですか、と呟くと、水嶋先生は怪しげににやりと微笑んだ。

「なに、咲月ちゃん。陽日先生より僕とデートしたかった?」

「ばっか水嶋!!これはデートじゃなくてだな!」

「はいはいわかってますよ」

「うぎー!」

単純な陽日先生は、デート、という単語に反応して顔を真っ赤にしながら否定する。それをいつものように流す水嶋先生。ああ楽しそうだなあ。相変わらずサドっ気溢れてるなあ。

不意に、水嶋先生が私の唇に人差し指を当てた。なにごと。

「?なんですか、水嶋先生」

水嶋先生は、人差し指で私の唇を撫でると、自分の唇に押し当てた。にっこりと笑う。

「間接キス」

「………………………」

この人本当脳内ピンクだよな。
「おまえええええええ何してんだああああああ!」と叫ぶ陽日先生を、いい笑顔で再び弄りはじめる水嶋先生。

これ以上どう反応すればいいかわからなかったので、寮に帰ることにした。水嶋先生のセクハラはいつものことなので寝て忘れることにした。

「じゃ、陽日先生ありがとうございました」

「おー!気をつけて帰れよー」

「気をつけるってか目と鼻の先ですけどね」

「うるさいぞ水嶋」

戯れ合う先生たちに背を向けて、寮に向かった。















「月子ちゃんも鈍感だけど、咲月ちゃんも相当だな…」

「あ?何の話だ?」

「陽日先生には関係ありませんよ」

「な・ん・だ・とーーー!」







home


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -