メリークリスマス




クリスマス。
そう、恋人たちが爆発する日。…間違った、恋人たちがよりいっそうラブラブする日。まあほぼ男子高である星月学園にとっては全く無縁のイベントである。
俺はひとつ欠伸をすると、仕事を再開…できなかった。

「星月先生ハッピーメリークソスマス」

「みょうじ…いつの間に居たんだ」

「ついさっき、です。それよりこんな神聖なる日に先生はお仕事ですか」

「そーだよ、俺の恋人はお仕事だからな」

「あらまあ」

いつの間にかやってきていたみょうじは、ソファにどっかりと身を横たえると目を閉じて眠り始めた。

「おいおい、何してんだお前は」

「昨夜アクシデントがあって徹夜だったうえに更に不知火先輩にこき使われたんで眠いんですよ…ちょっと寝さしてください…ていうか寝ます」

「全く…仕方ないな」

出てけと言って素直に聞くような奴じゃないし、俺も俺で当分保健室を離れる予定はないからまあいいかとみょうじを保健室で寝かせることにした。














「ん…」

気付いたら外は真っ暗で、灯に照らされた雪がちらついていた。いつの間にこんな時間経っていたんだ…全然気付かなかった。
ソファを見るとすよすよと寝息をたてて寝ているみょうじが居た。こいつまだ居たのか。時計を見るとそろそろ生徒会主催のクリスマスパーティーが始まる頃だった。ほとんどの生徒や職員は体育館に行っているはずだ。俺たちも行くとするか。
書類を適当に片付けてから、ひとつ伸びをしてソファに近付く。未だ起きる気配のないみょうじを、揺さぶって起こす。

「おーいみょうじー、体育館行くぞー」

「うーんあと五分…」

「なにがあと五分だ。起ーきーろ」

「うー…やめてください…私は今寝てるのです。眠り姫なのです…」

意地でも起きようとしないみょうじ。どうしたもんか…ていうか自分で姫とか言うな。

「眠り姫、ねえ…?」

ならお前はキスで目覚めるのか?と眠るみょうじの顎を持ち上げ唇を重ねると、

「…っ!?」

みょうじは途端に目を見開いて、ゆっくり離れる俺を見た。

「おはようさん。さ、体育館行くぞ」

ああ面倒臭い、と欠伸をかきながらみょうじに背を向け保健室を出て振り向くと、ソファから半身を起こしてぼんやりしているみょうじの姿。

「みょうじー、行かないのか?」と聞けばみょうじはきっと俺を睨んだあと、

「星月先生のバカああああ!愛してる!」

と叫びながら保健室を飛び出して体育館のほうへ走って行ってしまった。

「やれやれ…」

俺はものすごいスピードで去って行ったみょうじの姿を見届けたあと、保健室の鍵をしっかりとかけて体育館に向かった。































◎書いたのは25日だからセフセフ!





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