レッツ女子会





陽日先生に仕事を頼まれて、だが断る!!と吐き捨てて廊下を疾走していたら、曲がり角で誰かにぶつかった。うわあ、すみません大丈夫ですかと咄嗟に声を掛けると大丈夫よ、といって起き上がったのは星詠み科の先生、萩野棗先生だった。なんと奇遇な。「棗ちゃん、陽日先生の仕事と私にケーキ奢るのどっちがいいですか」と問えばしばしの沈黙のあとケーキ奢るよ、と言われた。相変わらずここの教師は全体的に職務怠慢気味だと思うのは私だけかしら。

食堂で、棗ちゃんに奢ってもらったケーキを頬張っていると、ふと棗ちゃんが遠い目をして口を開いた。

「なまえちゃんってさ、」

「はい?」

「なんで神話科に入ったの?」

「また唐突ですね、棗ちゃん先生」

なんだ、急に。何か悩んでるのかな、棗ちゃんも。そう思いながら神話科に入った理由を答える。

「そうですねえ、棗ちゃん先生、私の得意教科知ってますか?」

「知ってるわよー、現国と英語と神話系の科目でしょ」

「そのとおりです。逆に、不得意科目は?」

「宇宙物理学に天文学、化学に数学よね」

「さすが情報漏洩の場、職員室。個人情報も何もあったもんじゃないですね」

「そうよー、だから油断は禁物!」

「………で、なんでまたそんな質問を?」

もぐもぐごっくん。フォークにさした、ケーキの最後の一欠片を飲み込んでから聞くと、棗ちゃんは「特に意味はないわ」と呟いてから、途端にがっくりと肩を落とした。え、なにいきなり。どうしたというの。

「な、棗ちゃん先生?」

「あのね、なまえちゃん…」

「はい。なんすか」

「あなた、確か満ちゃんと同じ中学出身よね?」

「ええ、まあ」

日立満とは、私の一個下の星詠み科の女生徒である。あいつまた何かやらかしたか。

「満がどうかしたんですか?」

「満ちゃん、中学の教科書を教室に置きっ放しでさ、いくら注意しても「あ、その内片付けます」の一点張りなのよ…なまえちゃんから注意してくれない?」

「………………」

まさか自分も一度、星月学園内に中学の教科書を置き去りにして注意を受けた、だなんて言えない。口が裂けても、言えない。

「そ、そうですね、ちゃんと言っておきま「なまえせんぱあああああああい!!!!!!!」

「うわああああ来たあああああ!!!!」

「………………」

逃げる間も無く、後ろからガシッと腰をホールドされる。ああこれで私の退路は断たれた。

「あれ、棗ちゃん」

「こんにちは、満ちゃん。相変わらず元気ね」

「そうですね!さっきの授業で寝たので元気です!」

「………」「………」

寝んなよ。

「あんたほど潔い生徒は、男子でも居ないわよ」

「やだなあ照れます」

「褒め言葉じゃないし」

「じゃあなにさ!」

「ただの嫌味だよバカ」

満のアホをきっかけに喧々囂々と始まる口喧嘩に、私はやれやれと呆れて笑ったのだった。















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