孤独に輝く





今日の任務の相方はAlphardだ、と不知火先輩に言い渡された。あ、あるふぁるど?と反芻すると、不知火先輩はあれ、お前に紹介してなかったっけ?とすっとぼけたことを言う。紹介も何も、私今まで遠征で居なかったんだから知るわけないッつーの!と銃口を向ければお前すぐ俺に銃向けんのやめろ!と怒られた。なにさ、じゃあ今度からは手裏剣で前髪少しずつ削っていって差し上げますよ。不知火先輩が私を叱るごとに先輩の前髪は徐々に減ってゆく運命になるんですからね!

「何それ怖い」

「今なら苦無と手裏剣選べます」

「なんだよそのワクワクキャンペーンみたいな選択肢。どっちもいらんわ!」

「なんですとー!?」

「なんですとー!?じゃねえよ!!!」

しばらく不知火先輩と侃々諤々と言い合いをしていたが「あの」と少し躊躇いがちな澄んだ声と共に先輩の後ろから現れた少女に驚いて目を剥いた。

「先輩なんですかこの美少女は」

「ああ、こいつがAlphardだ」

「アルフォートか、よろしくね!」

「Alphardよ」

しくった。
















Alphardの本名は琥雪と言うらしい。私はコードネームよりその人の名前で呼びたい派なので遠慮なく琥雪と呼ばせてもらうことにした。任務ではちゃんとコードネームで呼ぶけど。

「今回のターゲットはあの女性か…」

「女性となると色仕掛けは無理ね」

「Alphard…あんたいくら綺麗だからってあんまりハニートラップしないでよね」

「あら、どうして?」

いいのよ、初めては好きな人にあげたのだから、と淡々と言う琥雪。大人だなあとぼんやり思いつつ、とにかくダメだから、と念を押した。琥雪の!白い肌に!他の男が触れるなど!私は!許さな…、

「Alcyone、うるさいわ」

「あれ、声にでてた?」

「ええ、思いっきり」

敵に気が付かれるでしょう、と琥雪に叱られた。ごめんなさい。

「でも、ありがとう」

「……!!」

琥雪!と抱きつくと、だから気付かれるってば!と鼻を摘ままれた。ほゆひ、ほれじゃあわたひひんむでひないほ。

「え?なんて?」

「『琥雪、これじゃあ私任務できないよ』」

「ああそう」

ひどいや。私の扱いが少しぞんざいすぎる。まあ気にしてないからいいけどね。

「あ、動いた」

「そうね」

「それじゃあ任務開始としますか」

「ええ、」

そうして私たちは、音もなく走り出した。













孤独に


















◎ギャグに走る私の悪い癖が出た。だが後悔していない
ジゼルさん琥雪ちゃんお借りしましたー






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