secret book
いや、あの、俺だって男子ですから。エロに興味はあるし、エロ本のひとつやふたつ持ってるに決まってるじゃないですか。と、開き直ってはみるも、やっぱりそれを彼女に見られるのは嫌なわけで。
「(ベッドの下とかお約束すぎるだろ)」
と思って本棚の奥の奥、その上「人間とは何か」だとか「そして地球は生まれた」とかいう満さんには全く縁も興味もなさそうなブックカバーをかけておいたというのに、女性という生物は恐ろしいもので、いとも容易く見つけてしまうものなのですね。
「ねえ、りんたろーくん」
「…………何かな満さん」
「私は君のエロ本の趣味にとやかく言うつもりはなかったんだけどさ」
「…………」
「ロリ貧乳はちょっとどうかと思うの…」
「ごめんなさい!!!」
俺のエロ本をじっと見ながら言う満さんに思わず土下座した。ていうか何でバレた。どうやって見つけたんだ満さん。
「なんか柚月先生がね、『三上はムッツリだから本棚の奥の奥に隠してるはずだ。その上くそつまんなそうな本があったらカバー外してみ、エロ本だから』って」
「(あのシスコン教師!!!!)」
一回潰したろか、と殺意が芽生えたが多分叶わなくて逆に殺されるな。やめとこ。うん、俺自分のことよくわかってるわ。
「ごめんねロリじゃなくて」
「ごめんなさい謝らないでください」
「貧乳は!貧乳は私で足りるから!ね!?」
「ごめんなさい!!!もうわかった!わかったから胸差し出さないで困るから!!」
「え?」
天然なアホ彼女は無意識に俺の理性を砕こうとします。マジこえーよ。泣きそうだよ色んな意味でな。
「そうかりんたろーくんはロリコンなのか」
「違うから。心のノートに止めておかないで。すっかり忘れて今すぐ忘れて」
「……うん!努力、するね!」
「ウワアアアアもう本当勘弁してくださいいいいい!!!」
死にたいぜ俺は。
刧刧
「柚月先生!!」
「おっどうした三上」
「あんた満さんになんてこと教えてんですか!!」
「えっ何マジでんなとこに隠してたのかよ。お前もまだまだ甘いな」
「くそっ…!」
「隠し場所変えたら教えてなー」
「うるさい!」
みたいな
あれ、倫太郎くんって柚月先生のことどう呼んでたっけ