その名を呼ぶのは
「7歳差かー」
突然の咲月の言葉にどきん、と心臓が跳ねた。えっ、あれ、咲月、もしかして私としーちゃんの関係知って、る…?
「ふは、咲月、年上は嫌なの?」
「嫌じゃないけどー」
なんかなー、と言ってテレビを見ている咲月と笑。2人の視線を追ってみると、テレビの番組が『突撃!年の差カップル!』だった。なるほど、咲月はこれを見てあんなことを言ったのか。
「(私たちのことじゃ、なかったの、か)」
安心してひっそりと安堵の息を漏らす。手元の本を再び読み直そうと広げる。が、2人の会話が気になって集中できない。
「7歳年上ってことは…私の兄さんくらいか」
「美月さん24歳だっけね」
「そうそう。確かしーちゃんと柚月先生と同級生だって言ってた」
「へー、しーちゃん24歳なんだ」
「(!?)」
咲月と笑から出た『しーちゃん』と言う単語に、再び私の心臓は跳ねた。しーちゃん…。
「(しーちゃん、は…わ、私だけの愛称だったのに)」
やはりみんな考えることは一緒なのであろう。ある日の授業で咲月が突然「しーちゃん」と呼び始めたのだ。それまでは私だけの呼び名だったのに。今ではみるみる普及して、学園中に広まっている。この学園で「しーちゃん」と言えば一条凌以外他にいない。
「(なんか…やだなあ)」
…と、ここで気付いた。あ、あれ?私、もしかして嫉妬してる?しーちゃんって言い出した咲月に?
「…………っ!?」
その事実に、恥ずかしくなって息が詰まった。別に咲月は他意があってしーちゃんと呼び始めたわけではないのに、私と来たら勝手に嫉妬して勝手に憤って…!
「あれ、どしたの若菜」
俯いてる私を心配して、咲月が声をかけてくれたが、私は自己嫌悪でいっぱいいっぱいになっていて、思わず土下座した。
「ごめんなさい咲月!!!」
「…………へ?」
咲月は一瞬唖然としたあと、ハッと思い付いたように、
「も、もしかして私のアロエヨーグルト食べたの、若菜?」
「あ、それあたしー」
「お前か笑」
「めんご!」
代わりにナタデココゼリーで手を打とう、と咲月が言って、笑がははー!とふざけてひれ伏す。そして吹き出して笑い合う2人を見ながら、私はもう一度咲月に謝った。
刧刧
「なんや、じゃあ凌って呼びい」
「えっ…………いいの?」
「いいも何も、俺はしーちゃんより凌のほうが断然嬉しいんやけど?」
「…………じゃあ2人っきりのときだけね?……凌」
「…………おん」
とやつさん空月さん凌若お借りしました!
はい恥ずかしい!!!!(私が)
私は甘い話書くの向きませんね、すぐギャグに走ろうとしちゃう
しかしあれだな、どうしてナタデココはあんなおいしいんだろうね