発端はなんだと思う?今回はなんと白夜ではないのである。
では誰か?人災ではない。では何か?知りたいですか、ならば答えましょう。

四人揃ってマンホールに落ちた。

漫画みたいな話だがこれは漫画でも小説でも夢でもない、現実の話である。
では何故マンホールに落ちたか?答えは明白、四人とも試験前でノートを見ながらほっつき歩いていたからだ。
連日連夜それぞれの家でオールを繰り返していた俺たちは最悪なことに中間試験の存在をすっかり忘れていたのである。
悪ふざけをしても成績がトップなため見逃してもらえているというのに、今回の中間でトップから外れてしまうとなると停学もしくは退学のペナルティが科される可能性もなくはない。そう思った俺と凌は「大丈夫だって〜」と妙に楽観的なアホ2人に今までの授業の確認をさせていたのだった(怠惰な2人のくせにノートはきちんととっているという摩訶不思議な奴らである)。

そして、事件は起こった。

「ここどこ…?」

「どっかの学校の敷地みたいやけど…星月学園じゃないことは確かやんなあ」

「えーっとX2乗のYイコール…」

「数学やってる場合じゃないで柚月」

「あん?」

マンホールに落ちたと思ったら落ちた先はどこかの学校の敷地内であった。なんだこれ。どこだこれ。数学のノート片手にキョロキョロしている柚月と、古典のノートを握りしめながら不安げな凌。そして現代文のノートを見ていた白夜が急に「えっ!!?」と戸惑いの声をあげた。おや珍しい。

「どうした白夜」

「なんか…俺の字じゃないこれ…」

「えっ?」

見せてみろ、といって白夜からノートを受け取って柚月と凌と覗き込む。
そこには白夜の字とは異なり、パソコンで打ち込んだような機械的な文字でこう書いてあった。

『ようこそ。君たちにはバスケをして勝ってもらわねばならない相手がいます。それぞれバラバラの高校でごめんね。それでは、頑張って』

「………ナニコレ?」

「俺が知るかよ!こええ!」

「勝ってもらわねばならない相手…?誰やねんな」

「…あ?なんか向こうから誰か来るぞ?」

「へ?」

唖然と立ち尽くしていると、四人の男子がこっちに向かってきていた。その内の金髪の一人だけ「お〜〜〜い!」とやけに友好的に手を振っている。な、なんだなんだ誰だ?

「おーい!待たせてすませんっス!」

「えーと、桐皇来るやつはどいつだっけ」

「わざわざ秋田から来たよ〜」

「すみません、お待たせしました」

突然現れたデカイ3人と平均の1人の男子に驚く俺たち。しかし四人はお構いなしに手元のメモかなんかと俺たちの顔を見比べて判別している。ボーっとしていると水色髪の少年に話しかけられた。

「あの」

「あ、はい」

「…………」

「……?」

話しかけられたから普通に返事しただけなのになぜか少年は目を見開いて驚いていた。

「あのー?」

「あ、すみません。朝野美月さんですか」

「え、あ、はい、まあ」

「僕の名前は黒子テツヤです。あなたは僕のところ―――誠凛高校ですよ」

「はあ」

どういうこっちゃと周りを見渡すと、白夜はガングロの人、

「お前でっけぇなー!」

「そうか?」

「おお!ダンク!ダンクできる?」

「あったりめーだろ!朝飯前だ!」

「ウオオかっちょいいな!」

凌は紫のデカイ人、

「自分でっかいな〜、なんセンチあるん?」

「208くらい〜?」

「おお…威圧感がすごいやんなあ…」

柚月は金髪の人に話しかけられていた。

「夜久先輩はこっちっスよ!」

「は?そう」

「なんで睨むんスか!?」

「睨んでねえよ」

「えーっと…これは?」

どういうことですかね、と呟くと黒子テツヤくんとやらは「あれ聞いてないんですか」と言ってきた。聞いてないって何を。

「僕たちは、部長に言われてきたんです。あなたたちを迎えに」

「…………え?」

どういうこっちゃ?







続きませんよ



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