美月さんと琥雪ちゃんと咲月しかでません
あと眠すぎて何書いてるかわからなくなったのでボツ
絶対にバレない自信があった。
何故なら常に気を配り周囲を警戒し生きてきたから。中高はもちろん男子校だし社会にでてももとの性格のおかげで特に被害はださずこの何十年間暮らしてきたというのに。
ああ、ああ。俺はただ懐かしの母校を見学に来ただけなのに。こうも簡単になってしまうとは。朝野美月、一生の不覚。
目の前の少女は信じられないといわんばかりに瞳を見開き、半開きだった口をようやっと動かして一言。
「猫が化けてた…」
違うよお嬢さん、俺が猫になったんだよ。
俺が人間に戻るのを待ってもらってから、人気のないところへ移動してこの体質の呪いを話すと少女は冷静に「大変ですね」と言っただけであった。この少女は俺の母親と幼馴染の母親と全く同じタイプの人間だな。こんな特異体質な話を聞いても眉ひとつ動かさないなんて。
「まあそういうわけで、世の中には色々な人間がいるんだよ」
「大変でしたね」
「まあ、慣れだよね」
「お疲れ様です」といってぺこりと頭を下げる少女に胸がジワリと熱くなった。今まで気味悪がられたことはあったが労われたことなどない。この子はいいこだなあ、とほんわりしていたところへ、
「あれ、兄さんこんなとこで何をしているの?」
「咲月」
妹の登場である。勝ち気な顔の釣目な妹は俺と少女を見比べて「こんな昼間からナンパ?」と軽蔑を含めた声色で聞いてきたので即行否定。んなわけあるか!
「なんかされたら言うのよ、琥雪」
「大丈夫よ咲月」
「なんだ、知り合いだったのか」
「うん、まあ」
「ならば話は早い」
「は?」
俺は咲月を抱きしめる。俺に抱きしめられた瞬間咲月は真っ青になりながら「何すんのよこのクソ兄貴!!!」と俺を突き飛ばしたが時すでに遅し。
「虎…」
「…………」
ああ、虎から向けられてくる視線が刺さる。