もう一人の自分がいたらいいな、と思ったことはある。
自分の代わりに課題してくれないかなーとか、ここでこう来てくれたら白夜を挟み撃ちにするのになーとか、いろいろ。
でも、
「白夜まで増えることはないと思うんだよね…」
「今はそんなこと言ってる場合ちゃうやろ美月ィ!」
ボソリと呟いた独り言は、しっかりと隣に届いていたようだ。
凌が焦り顔で周囲を見渡している。彼の目の前には彼と瓜二つの人物がニタニタと下卑た笑いを顔に張り付かせてこちらを見つめている。ついでに言うと俺の前にも、白夜の前にもいる。お互い自分の瓜二つが。
ちなみに柚月はいない。はぐれてしまった。
『イイコ面して、忙しそうやなあほんま』
凌のニセモノが口を開いた。と、同時に俺と白夜のニセモノたちも口を開く。
『お前だってそうだよな、美月。白夜の悪戯を窘める振りして実は楽しんでるもんな』
「んなわけねえだろカス」
「美月、それお前だからな」
彼らの口から飛び出す言霊は全て自身たちの醜い深層心理だそうだ。次々と吐かれる言葉の数々に思わず苛立つ。やめろと言っても彼らはしゃべるのをやめない。頼む、やめろ、やめてくれ、お願いだから!
と、ここで脳内で何かが弾けた。弾けた、というより閃いた、というほうが近い。
「ぺる…そ…な…?」
勝手に動いた口に驚く間もなく、あたりには光が散り、俺の目の前にとんでもない奴が現れたのだった。
っていうペルソナパロが読みたいのです