いつだったか、明海ちゃん―――白夜の姉さんに言われたことがある。
「美月ちゃんあのねよく聞いてね驚かないでね、美月ちゃんって普通の人に比べて…ぜんっぜん運がないのよ…」
明海ちゃんは学生時代からそれはそれは有名な占い師であった。隣近所の俺たち家族のことは無料で占ってくれて、そのときに言われたのがこの一言であった。
「ええ?明海ちゃんそれはどういう…」
「えっ、あの、だからその……巻き込まれやすい…みたいな…?ごめん、細かく言ったら美月ちゃん多分自殺はかりそうだから言えない」
「…………」
思えばあの時明海ちゃんに細かく言ってもらわなくてよかったと思う。本当に。
本当に。
「…じゃなきゃここまで精神鍛えられなかっただろうなー…」
「んあ?なんだよ美月、遠い目なんかして」
なんでもねーよブラックホール。あんぱんさっさと食いやがれ。
「おい白夜、いつまで俺のあんぱん食ってんだよ」
「ほれふぶあんだぞゆぶひー!」
「白夜はしたないで。飲み込んでからしゃべり」
「んごっ…んんっ、…おいこれつぶあんだぞ柚月!!」
「ああっ!?文句あんなら食うんじゃねえよ!」
「俺はこしあん派だーっ!」
そう叫んで白夜はダッシュで駆け出して行ってしまった。
「…あいつどこ行った?」
「放っておけ、どうせこしあんのあんぱんでも買いに行ったんだろ」
正解です、柚月。
刧刧
昼休み終了のチャイムが鳴っても白夜は帰ってこなかったため、俺たちは仕方なく屋上をあとにした。あのバカ何やってるんだろう。まあいい。次は物理だ。早急に用意をせねば。
「あっ、おーい美月ー!柚月ー!しっのっぐー!」
「げっ」
「あっ」
「おお」
ばたばたと近づいてくる白夜は何故か泥まみれだった。片手には空になったあんぱんの袋がはためいている。
「白夜お前どこまで行ってたんだよ、授業はじまんぞ!」
「おお!そんなことより皆来てくれよ!」
「はぁ!?」
「ちょ、どこに」
「いーからいーから!!」
あさったらでてきた
120714