くじ引きCP第五段/九十九屋×新羅(すみません、逆に見えます^p^)





将来、医者になるから大丈夫、安心していいよ、と何故か街中で白衣を着た男に言われた。それが私服なのか学ランの上に真っ白で長いやつを着ている。曰わく、貴方が気になったから解剖させてくれ、と告白されたのだ。告白ではない?いや間違いなくそうだ。何故ならこいつ明らかに怪しい説明を始めた。背中から見える線が明らかに人と違うとか、関節がなんだとか、訳がわからない。こんな学生もいるんだな、と考え始めた。記憶してる情報を脳内でかき集め、該当する人間がいないか確かめるが残念ながら思いつかない。ならば、今、調べるしかないのか、と小さく嘆息する。


「すみませんが、おいくつですか?」

「……永遠の30歳だけど。」

「嘘つかなくていいと思うんですけど…、例え本当だとしても間違いなく身体年齢は20歳前後です。」

「そう言われればそうだったかもね。」

「それより、解剖させてくれるんですか?してくれないなら帰りますから。」

「残念だけど、君に俺の深くまで知られるつもりは無いんだ。例え君がどんなに俺を解剖したいと思っても、それはただの君の独りよがりでしかない。それで通じる世の中だなんて思うのは荒みきった時代にずいぶん純真な心を持っている人だと尊敬するが…まぁ、俺はなるつもりはないんだよな。だから、断る。」


ヒラヒラと手を振ってもう会うことも無いだろうと彼を横切った瞬間に再び声が聞こえた。


「岸谷新羅です、情報を更新しといてください。貴方を解剖したいと思っている人だと。」


逆行した目がやけにぎらついて見えて、笑ってしまった。



(アセトアルデヒド)



日記ログ
2010,05,15







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