くじ引きCP第四段/狩沢×波江




一生理解出来ないかもしれない、と最初は思った。まず、私が愛を捧げるのは愛する弟だけと決めている。それにこの女はずいぶんおかしな趣味を持っている。男同士の同性愛を好んでいて、私の雇い主やあの取り立て屋なんかに愛があると喚いている。あながちそうでもないと思うのはきっとあの女の同士に過ぎない。そう、考えれば考える程理解が出来ないことばかりだ。しかも、私はこの女と大して面識などない。あったとしてもそれは忘却の彼方だ。じゃあなぜこんな状況になっている。


「あの…、返事はいつでもいいんで…、あ、メルアドはこれなんで…メールください…。」

「…あなた正気なの?」


はっきりと言えばぐいっと顔を上げて本気です!と言う。私はその言葉に頭が痛くなったが、なぜか無碍にも出来ず、渡された紙に手を伸ばした。いわゆるただの気まぐれ。


「暇な時、折原臨也のマンションに来なさい。お友達からなら話してあげてもいいわ。」


カバンに閉まっていた携帯を取り出し、カチカチと操作して赤外線を示す。とりあえず、あの雇い主をからかうことが出来る情報が貰えるだろう。


「わ…っ…!と、ありがとうございます!矢霧さん!」

「波江でいいわ、お友達だものね。愛を語る友達でいいのよね。」

「え…、じゃあ、波江さん。私も絵里華でいいです!それと、絶対に恋人に昇格してやりますから!」


そう意気込んで笑った彼女は思ったより素敵だった。



(愛を語るお友達)




日記ログ
2010,05,15







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -