くじ引きCP第六段/幽×静雄



兄さんは綺麗だ。
それでいて格好いい。本人にその自覚があるのかはわからないが俺はそう思う。すらりとして長い足なんて魅惑的でそそられる。兄さんは、縦に長いだけで横はずいぶん薄っぺらなんだ。そうやってぺたりぺたりと足首から太ももまでを触るとくすぐったいのか兄さんがこちらを向く。


「幽…、くすぐってえよ。」

「兄さん、くすぐったいってことは血行が良くないんだよ。ちゃんとバランス良く食べてる?あとお風呂もちゃんと湯船に浸かってる?」

「あー、うん…、わりい…全然考えてなかった…、けど、お前も忙しいしよ、ちゃんと寝てんのか?」


こくりと首を振れば、そうか、良かったと心底嬉しそうに微笑むのだ。
それにしても、兄さんのことだから三食カップラーメンとか三食ジャンクフードってことも有り得なくない。それはかなり不健康まっしぐらだ。そう考えてみれば何故それで太らないのかも気になるが自分も大概そうなので体質だと思い、気にしないことにする。教えて貰ったマッサージ法をしながら話を続ける。


「野菜も食べた方がいいよ。ちょっとでも変わるからさ。無理なら兄さんちに送ってあげてもいいし。そういえば、通販のカタログで北海道だかのラーメンがおいしそうだったから買ったんだった。持ってくれば良かったな…。」

「じゃあ、今からお前んち行くか。」


さも当たり前のように言うその言葉になんだか行くことを前提にされてるみたいだった。だから、という訳でもなく立ち上がり、車のキーを取り出す。


「お前が作ってくれんのか?」

「兄さんも手伝ってね。」

「あぁ。」


あのラーメン、野菜入ってないから何か家にある野菜切って入れないとな。



(野菜を食べましょう)



日記ログ

2010,05,15