帝臨/小学生帝人×高校生臨也


ちょっとした興味だった。常日頃、人がたくさんいるところを愛してると自覚しているが、その日の朝はたまたまよくあるニュース番組でミニ旅コーナーみたいなものをしていた。なんとなく気になった俺はああ俺も人間なんだなぁ、という思いを胸に埼玉県の田舎まで学校をサボってニュース番組曰わくプチ旅行をしてみることにした。今日は本当はシズちゃんを嵌めるつもりだったけど、なんかそれもまた今度でいいかな、という人間らしい一面が見えたので俺はそっちを優先した。なのに、何故こんな状況になった。ああ、ついてない。


「君さ…、小学生…?」

「…そうですけど。」

「ゲーム…強いね…。」

「…お兄さん、サボリですか?」

「そういう君こそサボリなんじゃないの?」

「今日、創立記念日なんで。」


なんとなく入ったゲーセンの格闘ゲームをしてみることにした。キャラクター選択時に相手からバトルを申し込まれたから何の気なしにオーケーの返事をした。いわゆる、ボロ負け。相手はどんな厳ついヤンキーかどんな根暗オタクかと思って見れば、小学生の高学年くらいの男の子だったって訳だ。


「お兄さん、この辺りじゃ見ないですけど、どこの人ですか?」

「え、何わかるの?」

「ええ…、それなりには…。」

「ふーん、俺は東京から来たよ。」


そう言えば、一瞬だけど常に無表情だったその子がほんの少し期待に満ちた顔をしたから、きっと都会に憧れている子なんだろうと思った。なにせここ田舎だし。


「僕を東京に連れて行ってくれませんか?」

「うーん、じゃあ君がこの町を案内してくれたら考えてあげるよ。」

「忘れないでくださいよ。」


そう言った顔がずいぶん晴れやかだったけど、さすがに見知らぬ子を連れ出すのは誘拐事件扱いされるんじゃないかと、一緒に木陰に座って彼が寝てしまった間に学校指定のブレザーの上着を掛けてそのポケットに書き置きをしてあげた。






「臨也さん。」

「んー、何これ?ブレザー?」

「約束を果たして貰いに来ました。僕を東京に連れて行ってくれませんか?」


受け取った裏には折原臨也と名前が刺繍されていた。



(君が大きくなって東京に来るのを待ってるよ。そしたら俺が'東京'に連れて行ってあげるよ。)





うちのサイト初の年齢指定じゃない帝臨^^
昔話捏造ー。
昔、会ってたら面白いなーって。ちなみに臨也はポロリと忘れてます。でもセリフで思い出します。そんな話です。


2010,04,26
日記ログ







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