猫の日記念/シズイザ



思うに、猫耳なんてものを最初に考え出した人間はきっと頭がいつも春色だったんだろう。だから楽しそうに頭に装着してにゃーにゃーなんて気持ち悪い高い声上げて人間の癖に猫のように人に媚びを売る。そんな愚かしい面も含めて人間を愛してる俺が今何故ここまで説明したかわかって貰えただろうか。


「シズちゃん、君は何故頭におかしなものを付けてるんだい?ああ、わかったよ。俺が疲れてるだけだね。じゃなきゃ、きっと夢だね。だとしたらずいぶんと疲れてるみたいだから今日は早く返してくれないかな。つまりさ、見逃してよ。」

「これは幽に貰ったものだ。文句言うんじゃねえよ、ちょっとそこに立ってろ。すぐにぶん殴ってやるから。」


標識を片手に持ちながらギンギンと目を光らせた猫耳の男がこっちに向かって来て怖いです。ただの恐怖です。幽君もさなんでそんなものシズちゃんにあげたのさ!


「悪いけど、捕まる気は無いね。」


そう言って左から迫って来た標識を右に避ける。


「っつ…!?」


避けた筈の標識が右脇腹にダイレクトにぶつかった。何、シズちゃん、今日は両手に持ってた訳?ちょっとは頭良くなったのかな。あーくそ。しくじった。ジクジク痛みやがる。絶対これ2、3本イッちゃったって。
近づいて来たシズちゃんがなんか手に持ってるのが見える。


「さて、臨也くん。これでお揃いだな?」

「シズちゃんの悪趣味、変態、DV、強姦魔。」

「おい、ありもしない嘘まで口走るな。」

「あー、痛い、痛い。痛いからつねらないでくださいー。」


何だよ。結局猫耳、俺も付けなきゃいけないのかよ。あー、もう最悪。ここ普通に路地裏なんですけど。言っておくけどお揃いがどうとか俺が思うはず無いからね。勘違いすんなよな。



(シズちゃん、動けなーい。)(このまま野垂れ死ね。)(シズちゃん、責任とっておんぶー。)(……ったく、しょうがねえな。)(シズちゃんの猫耳ふさふさ。)



【日常風景プラス猫耳】




(君達さ、ここまでそれで来たの?)







2010,03,01

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