バレンタインにメルマガで配信したdrrr!!リクエストだけのSSSログ。1000〜2000文字程度。ちなみにメルマガのリクエストはなんでもオーケーにしてあるのでCPはフリーダムです。
上からシズイザ→正帝→臨帝→イザシズです。
「シーズちゃん♪」
「そうか命日は今日がいいのか。連絡くれたら準備してやったのに。」
目の前に折原臨也がいる。ちなみにここは池袋。人の職場の目の前で明らかにこいつは俺の仕事が終わるまで待っていたに違い無い。そうかついに俺に殺されに来たのか。きっとそうだな、あのうぜー顔を見ることが無くなるなんて素晴らしいことだな。
「やだなー。俺がそんなこと望む訳無いじゃん。今日が何の日かもわからなくなったシズちゃんに言われたく無いね。どうせきっと誰にも貰えないもんね。あ、クルリとマイルから預かって来たのあるよー。良かったね、これでシズちゃんのチョコレートは3個!おめでとう。」
大げさに表すノミ虫にプツンと来そうになったがクルリとマイルの好意を受け取らないのはいけない。その後こいつを叩き潰せば問題ない。
………3個?
「おいノミ虫!」
「俺の名前は折原臨也だよ、シズちゃん。」
「今、3個っつったよな。クルリとマイルとあとは誰だ?」
「俺以外に誰がいるの?」
淡々と当たり前のように疑問で聞き返す臨也に一瞬思考が止まる。そのまま近づいてくる臨也の手に下げられている袋が俺の手に渡って、よし!じゃ、渡したからねー。なんて軽口言ってどこかに臨也がいなくなった当たりで気がついた。
「あの意地っ張り。」
渡された袋の中身には一つだけチョコレートが入っていた。
バレンタインのお菓子売り場に鎮座されている色とりどりのパッケージに包まれたチョコレートがいくつも。バレンタインから1日たった今日は売れ残ったそれが値引きされて置かれていた。おもむろにそれを一つ取ると何も考えずにそれをレジまで持っていった。買ってからなんだか自分がチョコレートを貰えなかったやつみたいで恥ずかしくなった。店から出ると買ったばかりのチョコレートを開けて一つ掴んで食べる。口の中に甘いのが広がってなんだか一つだけでお腹いっぱいになった。
「みーかーどー。食わないなら寄越せよ。」
「500円。」
手を差し出すと金取んのかよー!俺達親友だろ!いいから寄越せよ!なんてひったくろうとするのでびしりと手を払った。
「いってー!」
「丸ごと取ろうとするからでしょ。一個ならあげるから、ほら。」
そのまま一つ掴んで紀田くんに差し出すと何を血迷ったのか往来であーんってして食べた。
「紀田くん…、ちょっと引くよ。」
「ちょ!帝人!リアルに引かないでくれよ!」
だったらその手掴んで抱き寄せようとするの止めてよね。何回も言うけどここ往来だからね。
「ねー、ねー、太郎さんは誰かにチョコレートとかあげるんですかッ!?」
「僕は特には無いですね、てか僕はむしろ貰う側なので。それより甘楽さんは誰かにあげたりしないんですか?」
「私ですか!?私は一応いちゃったりするんですけど…秘密ですぅ〜!あ、じゃあ今日はそれで用があるのでこれで失礼しますねっ!」
「了解です。じゃあ甘楽さんまた今度。」
甘楽さんが退出しました
田中太郎さんが退出しました
「帝人くんはチョコレートくれないんだー。」
「てか、臨也さん気持ち悪いです。」
「ひどっ!せっかく俺はチョコレート持って来たのに!」
そう言ってゴソゴソと綺麗にラッピングされた箱を取り出すと小さく微笑んで渡された。
「まさか手作りですか?」
「そのまさかだけど何か文句ある?」
こちらの驚いた顔を見ると楽しそうにニヤニヤと笑うのを見てなんだか負けた気がした。
「残念ながら僕は持ってません。今から買いに行きますよ。」
「ああ待って待って。」
後ろから手を引っ張られて振り向くと先ほどよりもすごく楽しそうに笑っている臨也さんがいて嫌な予感しかしなかった。
「何ですか?」
「チョコレートの代わりにキスでもいいよ?」
言うや否やとりあえず合わさる唇。離れた時にボールペンは筆箱だったかなと頭の中で思った。
思うんだけどさ、シズちゃんはもっと素直にチョコレート渡せない訳?いくら貰ったこと無いからって酷すぎでしょ。え、嘘!?貰ったことあるの!?…ああ、ごめんごめん。勝手に勘違いしちゃった。まぁ、それでね流石にこの方法は如何なものかと思うよ?俺マジで今回シズちゃんに殺されるかと思ったもの。…うん、だからね、つまりは普通に手渡しして頂戴ってことだよ!
グダグダと長いこと喋りながらノミ虫が下した結論は手渡しで渡せというものだ。普通に考えろ。渡せる訳が無い。だからこうやって自販機にくっつけて一緒に投げてやったってのに。
「でもね、チョコレート貰えると思わなかったから嬉しかった。」
にこりと笑ったその顔に意外にもこちらも笑みがこぼれてなんか俺達犬猿とか今だけ、今だけな、どうでもよくなった。
「別に…普通だろ…。」
「え、ちょっとシズちゃん可愛すぎでしょ。」
すっと、素早く俺の近くに寄ってきた臨也が小さく頬にキスしたのは奴曰わくお返しのつもりだったらしいが当時の俺は驚き過ぎてフリーズした。臨也が楽しそうに笑っていた。
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