スパーキングステューデンツ→スパーキングクラス→今ここ。
捏造学生時代
良い方は下からどうぞ!
炎のような淡い光を斜め上から受けながら俺はこの状況に嘆息した。どこの世界にラブホテルで保健体育の教科書を読む人間がいるんだ。確かに俺は先ほど保健体育の教科書でも読めばと言った。しかし、シズちゃんならそれを馬鹿にするな、とキレるのが普通だと思っていた。なのに入るやいなや、すぐに教科書を読み始めた。そりゃあ、前から俺の予想通りにならない人間だとは思っていたけどさ。はぁ、俺どうすれば言い訳?
……よし、シズちゃんにシャワー浴びて来させよう。
「シズちゃん、いつまでも読んでないでシャワー浴びて来なよ。あといくら読んでもセックスの仕方なんか教科書に書いてないからさ。あ、でもゴムの付け方くらいは書いてあるかもね。そこはしっかり読んどきなよ。」
「お、おう!」
びくりと背を向けたままだったシズちゃんは笑いながら…といっても引きつった笑いを見せながらがしゃんがしゃんと歩き始めた。そのシズちゃんが面白くてついイタズラ心が働いた。
「ね、早くしてくれないと俺がシズちゃんを犯すよ?だってさシズちゃん童貞だしさ。俺はシズちゃんのことを性的な意味オンリーで好きなだけだから正直どっちでもいいんだよね。だけど、処女喪失と童貞喪失のどっちが先がいいって聞いたら普通は童貞喪失だと思ったから俺はシズちゃんに抱いて欲しいだけなんだよね、わかる?」
後ろから抱きついてやれば離せこのノミ虫!とか叫ぶし。俺はシズちゃんの身長に足りない分、必死に伸ばしているってのに。何をってもちろん爪先を。ちょっとムカついたからシズちゃんが来てたワイシャツの上から肩あたりに噛みついてやった。
「っつ…!おいてめえ臨也!なにしやがる!」
「わ、歯形も残んないとかどんだけだよ。抉るつもりで噛みついたってのに。」
不意に脇の下に手を突っ込まれていわゆる高い高いって子供がお父さんにされるあの体勢になった。ちなみに前にいるのはお父さんでも何でも無くて俺は目の前にいるシズちゃんの子供でも何でも無い。
「シズちゃん、ごめんごめん。怒んないで。ちょっとシズちゃんがいつまでも行動に出ないから焦っちゃっただけだから、ね。」
「そんなにすぐがいいなら今すぐしてやるよ。」
「大丈夫?シズちゃん。手震えてるよ?安心しなよ、俺が教えてあげるからさ。」
ぶん、とベッドにぶん投げられた。いくらベッドと言えども使い古しだ。スプリングが壊れ気味なのがわかる。まぁ、何人もの人が使ったってことがわかるね。一瞬、息を詰めながらも目の前のシズちゃんに手を伸ばした。
「安心していいよ。そんなに柔に出来てないから。だってシズちゃんを相手出来るの俺くらいだよ?前に言ったように俺と仲良くしてると面白いと思うよ。」
「……脱がすか?脱ぐか?」
「せっかくだから脱がして貰おうかな。」
ぷちんぷちんとする手つきさえ危うくてそんなシズちゃんが面白かった。ああ、自分狂ってるな。心の底から平和島静雄が1回のセックスに戸惑っているのを滑稽だと酷く奇々怪々なものだとしか見えなかった。それはきっと自分の中のシズちゃんが大嫌いな折原臨也が行っている行為なんだろう。その癖、そうやって自分の中に人格を1人作ってそいつに意識を流させる自分が1番滑稽に思えた。
「寒くねえのか?」
「寒く無いよ。」
着ていた学校指定のワイシャツの前がはだけてそれをじっくり見るシズちゃんがいる。あれ?結構シズちゃんってむっつり?それも面白いかもね。
「……いたっ!ちょっとなにすんの!?シズちゃん!」
「さっきの仕返しだ。」
「仕返しとかおかしいって!今日は喧嘩じゃないんだから!」
「じゃあ、俺がつけたかった。」
近づいてきたシズちゃんが途中からスピードを上げて首筋あたりに寄ってきてペロリと舐めたかと思えばガリっと(シズちゃん曰わく仕返しの)歯形を付けられた。ヒリヒリするからきっと血が出てる。
「ちょっと…、シズちゃんくすぐっ…ゃあ…。やめ、ちょ、笑いが…。」
あーもう、くすぐったいっての!頼むからピチャピチャと歯形のあたり舐めないで欲しい。なんかもう音が卑猥。別に大したことして無いのに卑猥だ。シズちゃんが卑猥だ。
「臨也。」
「な…に…シズちゃん。もう、くすぐったいっての!」
ふるふるくすぐったさで震えていた体をシズちゃんの方に向ければ小さくキスされた。む、さっきはずいぶん歯が痛いキスだったのに今度は違うね。なんかちょっとキスは癖になりそうだから止めた方がいいかも。シズちゃんの癖に結構うまいというか素質があるというか。
「ふ…ぁ…、ん…。…シズちゃん結構うまい。シズちゃんの癖に。キスしたことあんの?」
黙ったとこを見るときっと初めてかな。え、マジでファーストキス?あー、でもそれはそれで嬉しいかも。
「臨也、この後どうすればいい?」
「あ、そこのビン取って…って違う違うそっち。その右から2番目の奴。」
シズちゃんが必死にローションのラベルを見ていてちょっと笑っちゃった。あ、シズちゃんにバレないようにね。
「シズちゃんがやって興奮する様なことを俺にやってくれればいいんだよ。」
「俺が…?」
「そうそう、シズちゃんが。」
そう言ったら訳がわからないとでも言うような表情をされた。実演して欲しいのかな、シズちゃんは。
「自慰する時と同じように弄ってくれていいよ。それともシズちゃんは乳首のが好み?残念ながら俺には胸が無いからね。それでも結構触る人はいるんだよね。それからシズちゃんが手に持ってるそれをシズちゃんの指と俺の後ろにつけて弄って突っ込めばいいよ。後は好きなように動いたりしてさ。我慢出来なくなったら中に出してもいいけど、ちゃんと処理してね。」
しばらく考えたのか間があった後、シズちゃんは制服のズボンの中に手を突っ込んでいじり始めた。
「ふぁ…、んぅ…、そうそう上手い上手い…。」
パチンと音がしてローションの蓋が開けられた。透明の液体がシズちゃんの指と俺に滴り落ちる。貴重面にも再びそれを閉じると恐る恐るシズちゃんの指が迫って来た。
「指…入れるぞ。」
「いいよ。あ、ゆっくりね。」
ズブリ。
内側からシズちゃんが浸食する。俺の一部みたいになっていくその熱さが気持ち良くて、気持ち良くて、堪らない。増えていくその指に快感を感じながら溶けていく。今、変な声でたら全部シズちゃんのせいだからね。
「…臨也。」
「ひぃ…あ…なに…?シズちゃん…。」
「声がその…エロい。」
「あはは…、全部シズちゃんのせいだよ。も、大丈夫だから入れなよ。」
にこりと余裕見せるつもりでも出来てたかわかんないや。ゆっくりシズちゃんのそれが自分に侵入してトリップした。
「ドタチン、ドタチン。」
「だから俺をドタチンと…、」
「俺、シズちゃんと付き合うことになったから。」
あ、またドタチンがフリーズしてる。昨日に続いてよくやるよね、うん。
「一応聞くが、それはどういうことだ。」
「そのまんまの意味だよ。俺とシズちゃんが付き合う。ただし、会ったら喧嘩は変わらないね。それはお互いが嫌いな同士のお互いだから。」
「……まぁ、いい。あんまり悪さはするなよ。静雄が不憫だ。」
「やだなぁ、ドタチン。シズちゃんのことが好きな俺はシズちゃんに突っ込まれる方だよ。」
「…そういうのを授業中に話すのはどうかと思うけどな。」
「あ、シズちゃん。今、登校かぁ…。遅いな。」
「人の話聞いてたのかよ。」
「おーい、シズちゃーん。今さら登校とか遅すぎるよ!寝坊とか馬鹿?今時、小学生でも早起き出来るよ!あ、でもシズちゃんはよく寝る子だからでかいのかな。きっと小学生並みの睡眠時間なんだね。」
「いーざーやぁ!」
【スパーキングアフタースクール】
(臨也、泣くなよ。)(…?泣いて無いよ。)(嘘…つくなよな。)(…そんな聡くて人間らしいシズちゃんなんて嫌いだよ。)(俺は泣くくらい人間らしいお前が好きだ。)
2010,02,27
一応、終わりにしたいですけど、後日談とか新羅視点とか書いてみたいです。
結局の所、お互いが好きな所同士を受け入れる。好きと嫌いは紙一重。嫌いが好きに変わる日は大人になってから、と。
甘甘な学生時代も書いてみたいです。
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