※中学時代捏造/3部作の真ん中



例えば、隣のクラスの13番の人間。彼女は如何にも真面目そうに見える。成績は少なくとも中の上、性格は明るく、周りの人達からも信用されている、所謂委員長という人だ。おとなしそうで目立たないってよりは、派手じゃなくて清楚って子。なんで俺が今、そんな話をしたかというと臨也がひっきりなしにその子の事を面白そうに語るからだ。


「新羅は彼女のそういう面しか知らないだろう?違うんだよね。あの子、この前、告白されてさぁ、タイプじゃないからって断ったらわざわざ人の家に出向いて逆レイプしようとしたんだよ?笑えるよね!これだから人間はわからない!だからこそ、面白い。ねぇ、新羅もそう思うだろう?」

「それで君はわざわざその子に付き合ってあげたのかい?」


本を片手にしながら、その話に相槌を打てば、臨也はまさか!と笑いながら私の読んでいた本を奪い去った。そうやってページがわからずに閉じるなんて酷いじゃないか。別にその本の内容に然したる興味も無かった筈なのに何だか気に障った。


「俺は人間好きだからって、わざわざ見知らぬ人に逆レイプされる程、心が広い人間じゃないからねぇ。」

「あのさ、僕は君の友達だけど、その友達の性関係に突っ込む程デリカシーの無い人間じゃないから。」

「酷いなぁ、友達が逆レイプされそうになったのに慰めの言葉1つもくれないなんて心が錆び付いてるんじゃない?」


よく言うもんだ。手持ち無沙汰になってしまった手を学生服のポケットに突っ込む。臨也は表情を変えないまま、ただあからさまにわざと落ち込んでみせた。しばらく、臨也を見てからため息を吐き、臨也の全身に目を逡巡させながら記憶を辿る。そういえば、知り合って最初の日だった様な気がする。確か、当時、違うクラスだった俺の元にわざわざ出向いて来たんだった。屋上には誰も来ないと高を括っていた。要するに私が接しにくい人間だったから余計にそうだったのだろう。屋上は誰も来ない。ここで誤解を解いておこう。僕がクラスや学年に慣れ親しんでいない訳じゃない。自分で言うのも可笑しいが割と社交的な方だとは思う。用があるならばクラスメート達は教室で済ませてくれるし、たわいない話をする人だっている。確か臨也は俺に会って、一番最初にキチガイだと断定した。後ろ姿で珍しくバサバサと学ランのボタンを取って、シャツまで出してた私を。何でそんな格好だったかって、セルティの手作りお弁当を食べ過ぎで幸せな苦痛に至っていたからだ。僕はいきなり人をキチガイ呼ばわりする臨也をひたすらに罵った。愚かだとかそういう類じゃない。楽しそうだね、とひたすら罵ったんだ。そしたら彼はナイフで人の腕を切った。痛いし、血が出てるし、苦痛しか伴わない痛みだった。だから代わりにポケットに入れていたメスで鎖骨下静脈辺りを狙った。痛いんだけど、代わりにとてつもなく彼が気になった。身体的には特に特徴など見当たらないのにだ。だからこそ、俺はここで臨也に友達にならないかと誘った。


「しーんーらー。いい加減に無視が続くと寂しいんだけど。」

「ああ、ごめん。」


声を掛けられて、臨也に意識を戻すと異常に近い距離に臨也がいた。そのまま寄ってくるものだから、キスはごめんだと手のひらで押し返す。


「逆レイプしたくなっちゃったんだよね。やられるとしたくならない?」

「いいのかい?君はそんなことやったこと無いだろう?」


そう問えば、無いね、と素直に答えられた。大体、日常的に経験してあるという人の方が少ない筈だ。それは利益で繋がった人間ではなく、私の様な知り合いで通過しておきたいということか、はたまた僕が将来的に医者を経営したいという能力的なことなのかはわからない。


「そんなことしなくても手伝ってあげるよ。」


そう言って、適度に開かれた大腿筋の内側を撫でればビクリとした後に臨也は笑った。カチャカチャと如何にもな音を鳴らして、下衣を取り去った臨也の中心を少し汲いてみた。多分初めてなのだろう。非常に赤い顔を隠し切れていないし、プルプルと震えている。こうまでして、体験しておきたいものだろうか。1回射精しておいた方がいいだろうと丁寧に時間をかけて汲いた。時折漏れる喘ぎが小さく、そんなに悲鳴じみたものじゃなかったせいか臨也にしては珍しく好感が持てた。


「…あっ、つ…ぅ…。」

「精子、沢山含んでるね。」


ピュ、と小さく短めに射精したにしては色が濃い。若いからか、自慰の回数が少ないからかはどっちでも良かった。背面にするか迷ったけれど、見えない方が脅えるかと思って、そのまま臨也を壁際に座らせた。


「後ろをいじられた事は?」

「あるわけ…無いよねぇ…?」


ニヤリと苦々しい笑いを零す臨也。なんだか今日は臨也の様々な笑い方しか見ていない気がした。残念ながらローションなんて持っていない。彼が持っているんじゃないかと聞いてみたら、何それと返される始末だ。つまりコンドームも持っていないんだろう。それで性行為に及ぼうとすると考えるなんて大したものだと言えば、彼女もそんなもの持っていなかったと言う。あわよくば、妊娠を狙っていたんじゃないのかな、なんて面白そうに言った。俺はしょうがないから臨也の精液を潤滑剤代わりにして、指を1つだけ挿れた。


「いっ…!」

「痛い?」


首を縦に振るかと思えば、横にブンブンと振る。狭くて、思っていたよりも熱い臨也の中を指でゆっくり動かしてみる。ついに首に腕が回ってきて、それが動く度にビクン、ビクン動いて小さくうめき声を漏らしている。先の第一関節から第二関節くらいまで埋める。余計に締め付けられたが、指は全部挿れなきゃ流石に届かないだろうと挿れた。


「ひっ!…う…あっ…」

「ここが前立腺なんだ。今まで痛かったけど、今は逆に気持ちいいだろう?」


カリカリとひっかき気味に前立腺を刺激すれば、小刻みに震えて身悶えしていた。わかって貰えたならいいだろうと抜く。


「じゃあ、挿れるから。つらかったら言って。言えなかったら握ってくれていいから。」


自分のを取り出すとそれなりに勃ち上がっているのがわかり、薄ら笑いをする。ひたりと押し付けると目を必死に瞑った臨也がいて、背中を撫でて、力を抜いてと乞う。幾分落ち着いたかに感じた頃に少しずつ挿れると圧倒的な質量に戸惑うのかすぐに制服のシャツを握った。先端で止める。次に大丈夫、と言ったあたりで一気に挿れた。正直、少しずつ苦痛を味わいながら挿れるより一気に挿れて快感を感じた方がいいんじゃないかという私の持論だ。


「ひっ…あっ…はっ…はっ…ふっ…う…」

「臨也、呼吸ちゃんとして。」


急激に来た圧迫感と快感のせいか呼吸困難になっているんだろうと呼吸を促せば、ただ息を吸っているだけになり始めた。


「臨也、息吸ってばかりいないで、吐いて。」

「アッ…むりぃ…はぁ…すっ…すっ…ひっ…ゲホッゲホッゲホッ…うぁ…」


息を吸ってばかりいると過呼吸になる。全く…世話がやける友人だと既に息を吐くことを放棄している臨也の口を塞ぐことにした。ふぐっ、とかよくわからない言葉の後で口を塞ぐ。そのまま臨也の口に舌先を入れて、意識的に呼吸しやすいようにしてやる。それが落ち着いて来たから、律動を始めた。ぐいぐいと前立腺あたりを中心に攻め立てると小さかった喘ぎが口を離す度に異常に甲高いものになり、ピクピクと足が痙攣する。十分に息が回ったあたりで口を離す。


「ひぁ…あ…あ…ああああ!」


ずくんと最後にまた押し込むと臨也は射精した。俺もそろそろだと抜かせて貰おうとすると臨也が止めた。耳元で小さくそのままで、と言われて我慢することなく出した。その感覚も体験しておきたかったのだろうか、定かではないが、ぶるりと1回震えて、ドロリと僕の精液を内側から流し始めた。「満足かい?」

「ああ、そうだね満足だよ。これで俺は彼女の気持ちが理解出来たからね。」


まだ逆レイプをする人間の心情に関心があったのかと思いながら、僕は身なりを整えて臨也をせめて清めてやらないとと、カバンをチラリと向いて、ティッシュを取り出した。


「あれ?」


振り向いた矢先に本来、ティッシュを使う筈だった場所と違うとこに当てた。


「ああ、悪いね。ありがとう。」


その言葉を聞いて、不信に思いながらも尋ねた。


「どうしたの?君が泣くなんて世界が滅びる前兆かい?」


それに対する答えはさぁ、知らない。と滑稽に呟かれた。






【君が泣いたら世界は滅びるね】





2010,09,17

新臨。

以下、解説という名の謝罪です。

新←臨です。
ひたすらに臨也が新羅を好きなんです。片思いです。新羅はセルティが好きです。逆レイプの部分は既成事実が欲しくてという気持ちが臨也にもあるよ、という非常にわかりにくい揶揄です。妊娠すれば〜のくだりとかそんな感じです。無駄に長くてすみません。アッ 私、化学物理の人間なんで鎖骨下静脈とかわかりません、適当ですみませんでした。四文字熟語ログアウトすみませんでした。




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