Happy birthday!!IzayaOrihara!!5/4!!

上から、
臨静→セルティ+臨也→門臨→遊馬臨→新臨→正臨→六臨→九十臨→帝臨→静臨





臨也、と名前を呼ぶ声がして振り向いたら何故だか花束が降ってきたからどうしようもなくキャッチした。…?なんだこれ。


「ほら、これもやる。」

「シズちゃん、何これ。」

「俺の名前は平和島静雄だっつってんだろうが。それはあれだ、あー、ゴールデンウイークだからウサギの風船を配ってるとこがあってだな……可愛くて貰って来たんだ…。お前にあげようと思って…、あー、その、な、誕生日…なんだろ…?」


俯きがちにそれを手渡すシズちゃんはやけに不思議な光景だったけど、今の俺にはそんなの全く考えずに、むしろ、なんでシズちゃんが俺の誕生日を知っていたんだろうとか、そんな思いが頭をぐるぐるしていてよくわからずに受け取ってしまった。シズちゃんはずいぶん嬉しそうに似合ってる、なんて笑う。え、と、どうしてこうなった。

ふわふわ、花でも浮いてるように笑うシズちゃんに少しだけでもそれが嬉しかったなんては絶対に言えないと思った。



【花束】 臨静


ーーーー


池袋の街には慣れきった馬の嘶きのような音が鳴り響き、その持ち主であるデュラハンであり、運び屋である、セルティが俺の前に勢いをつけて停止した。何か用があるのかな、と期待を込めて、いつもの爽やかな笑顔でやぁ、運び屋!と声をかけた瞬間にラッピングされた包みを渡された。


「何これ。」

「オルゴールだ。新羅から誕生日だと聞いた。不本意だが世話になっているし、それに誕生日を祝われるのは嬉しいものだろう。」


そこまで打ち終えた運び屋は開けてみろ、と促しているようだったので包みを丁寧にはがして、小さな箱型のオルゴールが出てきた。開けたら、俺に似合わないくらいのメルヘンでそれでいて陳腐な音が流れたが、それでもなんだか、ふと笑顔が零れてしまった。



【オルゴール】セルティ+臨也


ーーーー


「おい、臨也。」

「その声、ドタチンだぁ。」

街中で名前を呼ばれたかと思い、声を思い出すと1人の人物が浮かび上がった。確実な自信を含めて、ドタチンの名前を呼びながら振り向くと相変わらずお前は…といいたげな顔をした。

「その呼び方止めろって言ってんだろ。…まぁ、今日はいいか。臨也、露西亜寿司行かないか?」

「なになに!ドタチンの奢り?」


そう言って、意地悪い目でドタチンの方を向いて笑えば、否定して、笑いながらたしなめる様子が見れるだろう、と思っていたから、ああ、そうだ、なんて言ったのには本当に一瞬びっくりした。


「別に誕生日くらい奢ってやらないこともねぇよ。あんま高いもん頼むなよ。」

「これだから俺はドタチンが好きさ!」


あー、はいはいわかったから、とまんざらでもない風に笑うドタチンと誕生日を覚えていて、かつ祝ってくれた彼に心から感謝した。顔がにやけているかもしれない、大トロと優しいドタチンで。



【大トロ】 門臨


ーーーー


朝早くに宅配便の人が随分大きな荷物を届けにきた。なんでも時間指定されているからしょうがない、とのこと。箱の側面には届いたらなるべく早く開けて欲しいと書かれていたため、中を見てみたものの中身は想像を絶するものだった。


「臨也さん、早く着替えてくださいよ!」

「君さ、俺がこんなもの着ると思う?てか、いつ来た。」

「ぜひ着て欲しいっス!何せ今日は臨也さんの誕生日ッスからね!今日着ないでいつ着るんスか!せっかくの誕生日プレゼントなのに!」

「スルーかよ…。誕生日プレゼントにコスプレ衣装を贈る奴は普通いないと思うんだけどな…。」

「それは、臨也さんも俺も普通じゃないからいいんじゃないスか?」

「君、思ったより性格悪いね。」


臨也さん程じゃないっスよ、なんてヒラヒラした服を笑顔で仕向けてくるあたりがどうしようもなく性格終わってるな、と思った。


【コスプレ衣装】 遊馬臨


ーーー


「新羅が俺にまともな誕生日プレゼントくれるなんて思って無かった。まぁ、それよりも誕生日覚えていて、かつ、祝ってくれるなんて言うのも俺にとってはかなりの驚愕なんだけどさ。」

「嫌だなぁ、臨也。私は友達思いなんだよ?僕が臨也の誕生日を忘れ、かつ、祝わないなんて有り得ないだろう。曲がりなりにも、俺達は長年の付き合いなんだしさぁ。」


そう言われて、少しだけキョトンとしてしまったと思う。もしくはずいぶんアホらしい顔をしていたと思う。それと共に笑いが込み上げる。確かに、今まで一度も新羅から祝われなかったことが無いと気づいた。


「俺、新羅が友達で良かったよ。」

「うわ、大丈夫?臨也、頭打ったんじゃない?」

「やっぱり今の発言撤回するよ。」


新羅から貰った伊達眼鏡を掛けながら、似合う?なんて茶化せば、新羅も世界一似合わない、と冗談めかして笑う。


【伊達眼鏡】 新臨



ーーー


目の前に雑貨屋か何かで買ったのか、小さな袋を渡された。何も言わずに目の前に出されたもんだから、貰った方がいいのかさえ逡巡していると、早く取ってくださいよ、なんて言う声が聞こえて来たのでゆっくりとその袋を開けて、中身を見る。


「ピアス?」

「あんたの耳が開いて無かったんで、せっかくなんで今日開けてやろうかと思いましてね。」


ふと早口でまくし立てて言った正臣くんを見れば、その手にはピアッサーが握られていた。チャリ、と袋ごと一度机の上に置く。


「綺麗に開けてね。痛くしないでよ、俺、処女だから。」

「耳が抜けてますよ、臨也さん。」



【ピアス】 正臨



ーーー


すれ違い様に知らない人に誕生日を祝われたのは初めてだ。いや、名前や外見、略歴などは俺が一方的に知っているけれど。ああ、これだから人間は面白い。


「あんた、女…じゃないよな…?」

「残念ながら違うよ。それよりなんで俺の誕生日を、」


知っているの、と聞く前に手を取られて引っ張られて、頬にキスされた。あらあら、流石にこれは俺でも想定範囲内。


「もったいないな…。すっげータイプなんですけどね。」

「ああ…そうなの…。残念だけど、ナンパはお断りだよ。」

そう言って、軽くあしらおうとすると被っていた帽子を被せられる。


「誕生日おめでとうございます。素敵な方の誕生日に何もあげないなんて出来ませんから。」

「君…馬鹿でしょ…。」


そう言って、見つからないように帽子を深めに被って顔を隠した。



【帽子】 六臨



ーーー


「誕生日だろ。」


そう用件が終わった部屋の主から声をかけられる。にやにやとしやがって、自分が情報有利者だからっていつまでものうのうとしてられると思うなよ。いつか必ず追い詰めてやる。


「何、九十九屋は祝ってくれるわけ?」

「そのつもりだったんだが、不満か?」

「あぁ、不満だね。俺はあんたの誕生日を知らないからさ。」

「それは残念だ。せっかく取り寄せた上物だってのに。」


そうやって、ワインをちらつかせた。それに伴い、ワイングラスを並べている。つまり、問答無用で決定事項だと言うことになる。


「まぁ、一杯くらい付き合え。でろんでろんになったら毛布くらいはやるから。」

「じゃあ、あんたがでろんでろんになったら誕生日を教えてよ。」

「そこまでして俺を祝いたいのか?」

「ばっ!?…ばっかじゃないの!?」



【ワイン】 九十臨


ーーー


「甘楽さん、甘楽さん。誕生日おめでとうございます。」

「なにそれ、嫌み?」

「いえ、今日は甘楽さんの誕生日でもあることに気づいたんですよ。ねぇ、甘楽さん、いつものようにしてくださいよ。」


唐突に客が来たかと思えば、帝人くんが照れながら誕生日プレゼントに沢山の求人雑誌を置いていった。酷いなぁ…、あ、一番下はクロスワードか…。


「あれはネット上の人格の1つってだけなんだけどな…。」

「してくれるまで僕、帰りませんよ?」

「やれるものならそうすれば?」


そうからかいがちに言えば、はい、わかりました、って言って、何故か空き部屋に入っていった。いや、帝人くん…それはおかしいでしょ。


「臨也さん、1回だけでいいんですから…ね…?」

「……誕生日祝ってくれてありがとうぅ☆甘楽ちゃんを祝ってくれるなんて太郎さんに惚れちゃいますぅ!きゃ!//あっ!でも〜!内緒モードでセクハラは止めてくださいねっ!☆」


うわ…沈黙…。
やけになったせいで、冷静になると俺の方が穴があったら入りたいってわかってんのかな…帝人くんは…。ダメだ、ペース戻さなきゃ、と思えば帝人くんに手を掴まれる。


「つまり、内緒モードじゃなきゃ、セクハラしてもいいってことですよね?甘楽さん。」

「は…?違うよ。帝人くん、何いって…、」

「今の僕は田中太郎なんで。ああ、せっかくの求人雑誌なのにいらなくなりましたね。だって、甘楽さんは田中太郎のものという就職先が見つかってしまいました。」

「痛い目見ても知らないからね。」



【求人雑誌】 帝臨



ーーー


王道パターン。正にその言葉が当てはまるだろう。馬鹿でしょ、いや、馬鹿しかないね。この状況。あ、いや、状況じゃ俺も入るのか。訂正、この状況を作り出したシズちゃんが馬鹿。


「なんで、来たの?」

「誕生日に可哀想にも入院してるって聞いたからよぉ。顔見に来てやった。」

「それで東北まで来たの?馬鹿でしょ、シズちゃん。」

「馬鹿で結構。俺は自分が頭いいなんて思ったこと一度もねえしな。」


伸ばされた手を叩こうとした筈なのに出来なくて、勢い良く抱きしめたシズちゃんの背に躊躇いがちに手を回す。耳元で生きてて良かった、なんてのが聞こえてきた。やっぱりシズちゃんはバカだなぁって思った。もう何回バカを言っても足りないくらいにバカ。


「俺がシズちゃんを殺すまで死ぬわけないじゃん。シズちゃんこそ頭のネジとれちゃったんじゃない?」

「常に外れてるてめえにだけは言われたくないな。」


ふと唇が合わさりあう。シズちゃんの唇、涙の味でしょっぱい。



【キス】 静臨





2010,05,04(06,27)

実は没です…。
理由→一番最初の臨静がどう見ても臨静に見えないw

何はともあれ、臨也誕生日おめでとう…!

最後の静臨は7巻で休みの日に臨也がぐっさりやられたので、それがウィークだったらなぁって思いました。副題は臨也に上げた誕生日プレゼントになってます。私的に正臨が気に入ってます。









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