▼睦月 胡蝶菫(白晋)
※白晋設定
(→攘夷志士白夜叉×万事屋晋ちゃん)
「晋ちゃん!私駄菓子屋寄りたいネ!いいアルか?」
「…好きにしろ」
「やったアル!!」
「新八てめーが金出してやれ」
「えええ!?僕ですか!?」
七草粥を食べる頃なら実家に帰っている連中も戻ってくるだろう、
という理由で
(本当は正月にだらけきって家から出たくなかった)
元日から一週間もたった今日、新年の挨拶回りをしていたところだった。
「男だろォ?」
「晋さんだって男でしょーが!」
「俺ァもう疲れた。
から、そこの公園で一休みしてくる」
「おいィィィ!」
喚いてる餓鬼共はほっといて、冷えたベンチに座った。
抜けるような青空が上を見ると広がっていて、
俺が一つ息を吐くとそこには一瞬で消えてしまう雲が出来た。
ああ、平和だ。
「…───銀時──」
ふとしたときに、アイツを思い出す。
ボーッとしたくても、そのお陰でボーッとできない。
『白夜叉は不滅だ』
と言いながら見せる歪な笑顔が頭にこびりついていて。
……っくそ。
ふと横の花壇を見ると、
花が咲いていた。
小さな背丈で(雑草みてェ、なんてのは罰当たりか)、木枯しに吹かれながらもまぁ健気に。
黄色と黒の毒々しい花に、
濃淡の差がある紫の花。
濃い紅色と黒の花、と色鮮やか。
「冬の寒ィのに、よく咲いてやがる」
「本当だね」
「!?」
ベンチの背後から声がして、思わず振り向いた。
よく知った、大切な声がした。
「明けましておめでとう、高杉……」
笠の下から零れる銀色。
痛々しい包帯と、
毒々しい赤い目が。
あ、あ。
「……ぎ、ん…」
「胡蝶菫、キレイだね」
「はっ!?…あぁ、この花そういう名前なのか…」
クスリ、と笑われた。
「うん。でも高杉の方がキレイだよ」
ふいに綺麗、なんて言われた。
「………は…?」
「ふふ、顔真っ赤」
「ちょ、おいお前……」
「あ、迎えが来た。
…じゃあね、
………晋助」
最後、アイツは腰を屈めて俺の耳元でそう囁いた。
相変わらず、甘い匂いがして胸が締め付けられる。
「…っちょ、まて…銀時っ……!」
群青色の服を着た男のところまで歩いていくと、
ちらりと振り向き目を細め微笑んだ。
それはそれは妖しく。
「……っぎ、……」
「晋ちゃーん!豊作だったアルー!」
ハ、と神楽の声に引き戻されて、そちらを向くと
楽しそうな餓鬼二人。
視線を元に戻すと、
もうあいつらはいなかった。
ああもう。
訳がわかんねぇ。
何でここにいて、
俺に声をかけて、
あんな風に笑う?
あいつはまだ俺を想っているのか……?
答えは見つからないと知っていても、
悩まされる。
だから、
「お前のせいで、話しかけられたんだぞ」
とりあえず、
そこに咲いていた花のせいにしてみた。
胡蝶菫
「お前は、まだ俺を想ってくれてるんだよね?
……俺は一生大事に想うよ、…晋助…」
*****
巷で流行りの白晋ですよ白晋!
白晋の白夜叉は、ハンターハンターのヒソカをイメージ
妖しくて何考えてるかわかんないくせに、口調がめちゃくちゃ優しいみたいな
花なんですが分かりにくくてごめんなさい、
胡蝶菫(こちょうずみれ)とは
所謂パンジーです
本来は春を告げる花ですけど最近は冬咲いてますよね
私の学校にも冬咲いてます
花言葉は
“物思い”
“思案する”
“私を思ってください”
“私は貴方を思う”
“思い出”
“純愛”
“一人にしないで”
等です[ 3/17 ]