葉月 ペチュニア (金晋)

「晋ちゃん晋ちゃんっほらおいでー!」

「シャワー浴びたばっかだろ、濡れるわ」

万事屋のソファーに体をあずけるなり、俺に笑顔をむけて自らの膝をぽんぽんと叩き、座れと言ってくる。


「えーっ…じゃあ今日買ってきたクッキー晋ちゃんには食べさせてあげないよ?」

「……」

無言で膝の上に胡座をかいた。

胡座かよ、と笑って金時は俺の体を抱きしめてくる。

「クッキー…」

「わかったわかった。」

金時はなぜか俺の首筋に顔をうずめ、すんと匂いを嗅いできた。
ふわふわの金髪がくすぐったいし、何かむずがゆい。

「ちょ、金時やめろよ」

「晋ちゃんの匂い落ち着くわぁ」

「気色悪ィ」

「ひど!」

金時の匂いも俺は好きだが、いつも香水や女共の匂いにかきけされてわからない。
何故か悔しい。

「クッキー買ったお店にね、ペチュニアって花が飾ってあったんだ」

「……ぺちゅにあ……?」

苦笑いしてから金時は携帯で写真を見せてくれた。

花弁は五枚で、朝顔みたいに花弁が繋がってるように見えた。

全体的に白っぽい、桃色の花。

「可愛い花だろ?」

「わからなくはねぇな」

「花言葉も一緒に添えてあったんだけどね?」

「ああ」



「貴方の傍にいると心が安らぐ」


耳をくすぐった甘い声。
胸が締め付けられたのは不可抗力。


「……だよ、晋ちゃん」

「……そいつはどうも」




ペチュニア



*****


またちょっとマニアックな花にしてしまいました

名前を聞いたことがなくても見たことはあると思います、喫茶店とかの店頭にあったりするので…
可愛いですよ!


ペチュニアの花言葉は

“貴方と一緒にいると心が安らぐ(和む)”
“心の平和”
“決して諦めない”
“苦労の成果”

等です
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