あとの祭り(1)

「どもー、高杉いる?」

鬼兵隊の船にひょいと侵入して、俺は高杉の部下に聞いた。

こいつ名前は……万斉君だっけ?

「む、晋助はまだ寝ているでござるよ。」

俺正直こいつ嫌いなんだよね。

高杉のこと呼び捨てだし。

高杉もこいつのこと呼び捨てだし。
…まぁ俺のことも『銀時』だからいいんだけどね。

高杉の側近みたいだし。

街歩いてる高杉見かけると、いつもこいつと一緒だし。

送り迎えは結構こいつのバイク乗ってるし。

ござるだし。

グラサンだし。

「少々待ってほしいでござる。晋助を起こしてくる」

「あっ俺も行く!」

高杉の寝顔見たいな、なんて。

「ついてくるのは構わんが、拙者かまた子殿以外の者が起こしに行くと不機嫌になるからぬしは少し離れたところにいてほしいでござる。」

……へぇ……

高杉、あの女かこいつ以外の奴には起こされないんだ。

ってことはこいつ、高杉が俺のとこにいないときは寝顔毎日のように見てるんだよな?

うわぁ悔しい。

「昨日は晋助も夜更かししたでござるからなぁ」

「へー。」

「何度もいきたい、いきたいと言うことを聞かずに……かたいと言われても晋助のことを思えば致し方ないこと……」

「………?…」

なんか万斉くん呟きだした。
かたいって何が、ナニが?

「はぁ、困ったものでござる。大人しく言うことを聞いてもらわないとこちらにとっても痛いというのに…我慢というものを覚えてほしいでござる」

「…ぇ……」

「あんなに暴れては他の部屋につつぬけでござるよ』

「…ぇ、ちょ………」

「まぁ結局晋助には拙者も弱くていかせてしまったでござるが……」

夜更かし?
いきたい?
いかせてしまった?
かたい?
痛い?
我慢?
暴れる?
他の部屋につつぬけ…?




俺の思考回路で、たどり着いた先は。


「てんめぇぇ!!!俺の晋ちゃんに何しやがったんだ!!!」

「!?」

俺は奴の胸ぐらを掴んだ。

なんか困ってるみたいな意味わからんみたいな顔してっけどたった今のろけたのはてめぇだぞこのグラサン!
割ってやろうかグラサン!

「人のモンに手ェ出してただで済むと思うなよ!!」

「えっ、白夜叉……一体……」

「したんだろ、俺の高杉で!どうだった!」

「何をしたんで……─」

「だからよォ、その、抱──
「朝からうるせェぞ……」

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