僕の居場所のある世界(4)







「……ちゃん、…新ちゃーん?」

「………ん…」

「おはよう新ちゃん。どうしたの、こんな時間まで寝てて。」



目を開くと、姉上がいた。

「あね、うえ………」

眼鏡がなくてぼんやりとした視界で、それでも僕は辺りを見渡した。


「……あれ…?」


壁に張ってあるポスターには、いつもと変わらず可愛らしい笑顔のお通ちゃんがいた。

「姉上、銀さんは…神楽ちゃんは…!?」

「何を寝惚けてるの?二人なら万事屋でしょ、早くご飯を食べて行きなさい」


神楽ちゃん、がいる。

万事屋に。


「………夢、か…」


さっきまでのは、悪夢か。




街はいつも通りだった。

何ら変わらない、いつもの騒がしい商店街。

天人がちらほら歩いている。

スナックお登勢の看板の前ではたまさんが掃除をしていた。

「おはようございます新八様」

「おはようございます、たまさん」


万事屋の引き戸を開ければ、

「また卵かけご飯かよ……もういい、俺宇治銀時丼にすっから……」

「まじアルか!じゃあ銀ちゃんのぶんの卵は私が食べておいてあげるヨ」

「バッカこの卵は俺が今度卵焼きか何かにして食うからいいんだよ!」

「えぇー…」


何ら変わらない、いつも通りのバカみたいな喧嘩。

「おはようございます」

「あー新八いたの?地味すぎて気がつかなかったわ」

「新八ィ銀ちゃんの卵を奪うアル、手伝ってほしいネ!」

万事屋の一員として、僕を迎えてくれるこの空気。




「……ごめんなさい銀さん、
……やっぱり僕は、ここがいいです」





また気づかぬうちに泣いてしまった僕を見て、
二人は驚いた顔をしていた。










END


銀高関係なくてすいません。

万事屋愛を、新八目線から


この夢高杉が見たら全く違う話になると思います

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