僕の居場所のある世界(3)

グッズは外来語。

神楽ちゃんも定春もキャサリンさんも天人だから。

たまさんは天人の技術を使ったからくりだから。

松陽先生は天人に殺されたはずだから、生きてる。

高杉さんの左目も天人に斬られたんですね。

銀さんの洋服が違うのも、お登勢さんの店の内装が違うのも、辰五郎さんが生きているのも、街に違和感があったのも。



「…銀さん、お客さんがいるのにすいませんでした…」



「いや、むしろお前の頭大丈夫か?」

「はい。すいません、…」


この世界では、

銀さんは、桂さんは、高杉さんは争わず幸せそうにしている。

幼馴染みと聞いていた三人組はこんな大人になっても一緒に仲良くしている。

僕らの世界では、

松陽先生はいなくて、銀さんと桂さんは高杉さんに刀を向けないといけなくて。

お登勢さんの旦那さんも無事に生きていて、お登勢さんは幸せそうだった。



でも、でも。




「い、やですよ………」





「……新八…?」



気がついたら僕は泣いていた。



「嫌ですよ銀さん…!…僕は、僕は……」




銀さん、
桂さん、
高杉さん、
お登勢さん、
ごめんなさい。


「嫌ですよ、こんな世界…!!」


神楽ちゃんが、定春が、他にもたくさんの僕の友達がいない世界なんか。


銀さんと僕と神楽ちゃんで、『万事屋銀ちゃん』じゃないこんな世界。

「僕はこんな世界、いりませんっ…!!」





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