なんか思い立って。やまなしおちなしいみなし
2013/08/30 23:01
「ふぬけてんな」
未来から来た銀時とその仲間たちが戻っていく様を見届けると、俺達は飲んだくれている今の仲間たちの元へ戻った。
未来の銀時は、今よりも背中が広くて頼りがいがありそうで、大人びていてかっこよかった。
ただ、今俺の目の前でやつらを眺めているこいつとは何かが違った。
今のこいつは、敵味方構わず斬っちまいそうな剥き身の刀みたいな独特の銀色の鋭さがあって、俺はこいつのそんなところに惹かれたわけだが
十年後のこいつは、刀を腰にしまったとたんにこの鋭さはなくなった。
いや、刀を持っているときもだ。
背中を色んな奴に任せながら、護り護られ戦う術を、覚えていた。
今の俺達にとって攻めこそ最大の護りと攻めることが主体で、銀時なんかその代表例で誰よりも最前線に突っ込んでいく。
それが、こいつの成長か。
なら、俺は?
俺は、あそこにいられないのか?
銀時が離れていくのか、俺が離れていくのか?
「おい、行くぞ」
どっちなのかはわからない。
が、
「ああ」
今のお前は、俺が声をかければ立ち上がり俺のそばに駆け寄ってくる。
いつかなにかで離れるのなら、今のうちに繋ぎ止めてやりてぇよ
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