すべて君に恋をしてるから

四月一日の零時ちょうど
そんなに辛抱強くない
一緒に飛び降りる覚悟はできてる
死ねと仰れば死ぬわ、なんて
呼吸していることを忘れる
アレルギーだと気づかないまま
蕾をこじ開けようとして
両手を後ろで組んで呼ぶ
入道雲の隙間にねじ込む
会いたい時雨

輪切りのレモンの虫眼鏡
マフラーとサンダルさえあれば
日陰で果てた赤蜻蛉
満月の日は帰れない
まだ飲み込んでいない口の中の毒を
歩くのが下手な元天使
ずいぶん早いお帰りで
八月下旬火葬予定
手首を手折るほどの力は無いから
素晴らしくビターなハッピーエンド

死ぬのなんて君が思っているよりずっと簡単なことさ、だってほら君が今当たり前の顔してやっていることをやめればいいんだよ、そしたら僕とも永遠にさようならじゃないか

レンズ越しなんて情けない
花と言葉のどちらがお好き
遺書と進路希望調査表
確信犯の事後報告
絆創膏はいらない程度の切り傷
素面の二日酔い
吸い込む水たまり
ありがたい言い訳
口止め料はいくら欲しいの
崩れて落ちて今度は水底で

夏を食むネーブル
放課後のリサイタル
知識欲はとどまることを知らない
あくまで好奇心の延長
無い物ねだりは無意味でしょうか
一昨年の夏はなにをしたっけ
全部が好きってことはまずない
その科白はわたしで何人目
それが償いになるのでしょ
ふたりだけの騒がしい夜

静寂と書いてしじまとわざわざ読む
たゆたう瞼
玉響まで愛し合いたい
泡沫でもかりそめでもなんでも
猫が携えた花の庭
どうせ死ぬならずっと一緒に
聞きたいことしか聞かないのね
朝6時太陽の恋心
月明かりの余計なお世話
波打ち際に見せつける
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