複雑怪奇な一本道

気色ばむ曇天
乾いたうなじ
一緒に行けばいいのかしら
朝を知らない夜のように
渇きを癒すことまかりならぬ
わたしに残ったわたしのものは呼吸だけ
勝利の女神を落とす口説き文句
知らぬが仏の毒林檎
心臓を炙る
一般常識における正解とは

転がり進む上り坂
駆け上がる下り坂
手を伸ばせばキスできる距離に
後ろ歩きの綱渡り
溶けたそれらは水より重く
きみはぜんぜんわかっていない
しかってほしい女心
量産型であるはずがない
洗濯日和に咲く
花瓶に挿したネープルスイエロー

夢で見たビビッドカラー
今までのすべてはセピアだった
まぶしいほどの花吹雪
遥か昔の空蝉
どちらもあるから美しい
度を超えた悪ふざけはただの過ちとなりて
鍵層は無いものかしら
近づくサイレン
そんな予感を受信してしまったから
悪者がいない世界にはヒーローもいない

あなたの全てを好きになんてなれないのだけれどあたしの全てがあなたを好きだと言っている

あなたは爆弾を持っている
まだ導火線に火をつけないで
はやすぎて何も見えなかった
おそすぎて何も見てなかった
きみのための膝上10センチメートル
唐突でない彗星があるものか
だってこれは間違いなく運命だもの
絶対ちぎれない花の指輪
砂糖菓子でできたプラスチック
押しても引いてもダメなのね

冬に生まれた茜のきみ
炎の水に溺れる
それが愛だとわかっているよ
氷水とベッドシーン
涼しい左手の薬指
今日より若い日はないんだって
行くあてがないなんてつまらないうそ
友達の家から朝帰りなんてね
落とすくらいならうんと高く上げて
生まれ変わったら別人なのに
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