七海春歌side


今日は入学式の日
入試のときにも色々あって遅刻してしまったのに今日も用意に手間取ってしまい遅れてしまうなんて…!(友ちゃんに先にいってもらって正解でした)

忘れ物はないか確認してバタバタと部屋を飛び出した
寮から会場まではそんなに距離はありませんが今度こそ遅刻するわけにはいかない!
運動は得意ではありませんが私の持てる力を出して全力で走りました



人の波に乗りながら急いでいて前を見ていなかったためそこに止まっている人がいるとは思わずぶつかってしまいました


「アッ…!」


『おっと、』



声からして女性のようで視線を下から上にあげてみる
と、とても背の高いかたです!



「す、すいません!」


『んーん。私がボーッとしてたからさぁ〜』


「ほ、本当にすいませんでした!」



ハッとなり急いでいたことを思い出し彼女に魅入ってしまっていたのが恥ずかしくて何度も頭を下げてから失礼かと思いましたが友ちゃんも会場で待ってくれているので言葉少に立ち去らせてもらいました



「(前髪で顔が隠れていましたが私の方が身長が低かったし至近距離でしたので少しだけ顔が見えました…アメジスト色の瞳の、綺麗な方…)」



会場について友ちゃんに怒られながら先ほどぶつかった方のことを思い出します



「どうしたの?春歌?」


「あ、いえ!先程人にぶつかってしまいまして…」


「あんたは…、何かとお約束なことしてくれるわね、それで?」


「と、とても綺麗で!親切な方でした!」


「まぁ、芸能人になろうと思ってこの学校に来てるんだから綺麗な人が多いわよね。ちゃんと謝った名前は?」


「あっ!な、名前をうかがうのを忘れていました…」


「……もう何にも言わないわ」


「はう〜…」



友ちゃんにお母さんみたいなことを言われ名前をうかがうのを忘れていたことを思い出しました
急いでいたので後からまた改めて謝罪をしに行こうと思っていたのに


でも


「(また、すぐに会えるような…)」



そんな予感がしました
同じクラスだと嬉しいです

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