目の前には森
あの衝撃を受けて私は死んだのかなってまた他人事のように考えていたけど目を開けた先は天国でも地獄でも病院のベッドの上でもなく森。
車に引かれたはずなのに傷は何処にも見当たらずさっきまで手に持っていた鞄が傍らにあるだけで場所以外は何も変わったとこは無かった
『えっ…。なんで?私引かれたよね?普通死ぬかせめて病院に連れってくれるもんじゃないの?ってかここは何処なの?意味分かんないんだけど…。』
現在の状況が全く把握出来ず取り敢えずここが何処の森なのか確認するために辺りを歩きまわることにした。
『まぁ…森に心辺りなんかないんだけどね…そもそも日本なの?』
と、ブツクさと独り言を言いながら歩き出そうとしたとき
「「「ギャー!!」」」
『えっ?!今度は何?子供の叫び声?!』
次々と怒る予測不可能な事態にパニックになりそうになりながらも私は声のした方に走り出した。
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今日は二人組での忍務で俺と五年の久々知兵助が忍務に当たっていた。優秀な久々知との忍務だったので割りと早く終わり木々を伝いながら学園へと帰っていた。
その途中
「!潮江先輩あれは?!」
周りに注意しながら久々知が俺に話しかけてきた。久々知が指差した方を見ると何か光るものがいた
「なんだ、あれは?」
「わかりません。近くに見に行きましょうか?」
「いや、ここで少し様子を見る」
光ってるものが何かわからないぶん近づくのは危険だ
そのうち光が収まり光っていた場所には女がいた
「女?」
「くの一でしょうか?」
「いや、ここはもう裏裏山辺りだ。学園に程近いところで倒れているのは不自然過ぎる」
もう少し様子を見ようと久々知に矢羽音を飛ばし、女に目をやる。しばらくして女が目を覚まし辺りをキョロキョロしだした。女は見たことのない着物を纏い近くに落ちていた彼女の私物と思われるものを確認してから何やらブツクさ言い始めた。
引かれただの死んだだのここは日本かなどわけの分からないことを言っていた。そんな事を言っていても仕方がないと諦めたのかここから動こうとしたとき小さな叫び声が聞こえてきた。その声に反応して女は声のする方へかけていった。
「潮江先輩、追いますか?」
「明らかに怪しいからな。行くぞ。」
彼女に見つからないように気配を消し距離をあけながら二人あとを追った。
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彼女はいったい何者のか?敵か味方か殺すか生かすかまだ存在掴めぬ
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