得体の知れぬナニカに怯え、隠れていた名無しのだったが、時間がたつにつれて思考か冷静さを 取り戻していた 元来根っからのオタクだったため、脳内ではこの不可思議な状況に理由をつけ始めていた。 廃校・バケモノで考えられるのは、『ホラーゲームに巻き込まれた』か『何かしらのホラー夢小説に巻き込まれた』のどちらか、だよね…… ホラーゲームだったらこの部屋に攻略についての何かがあるはず… 「まずは探索、か……出来れば小説の方がいいなぁ……」 まずは机と椅子をなかを覗いたり、引っくり返しながら何かがないか探す 極力音を立てぬよう注意を払いながら、教室全部の机と椅子を探すが何も出ず 次にロッカーも探すが空振りで思わずため息をついた 「大概こんだけ探せば1つや2つ、何か出てくるはずなんだけどなぁ……ん?」 ロッカーに寄りかかりながら上着のポケットに手を入れるとなにか紙のようなものが触れる感触があり、それを取り出す それは白い紙の掌にのるサイズのカードで裏返すと黒字で文字が書かれている 『 BNBAPO 鍵は1歩 』 「"バンバポ?"これローマ字じゃないし…ほわっつ?」 一応短大も出てはいるが、英語が壊滅的だった花子は紙を見て首を傾げる しかし、持っているもので唯一見覚えのないその紙はコレから脱出するヒントとなるモノに違いなく、大切に元のポケットに戻し、再び探索を進める 「あとはこのロッカーか…多分何もな、おおうぅっ?!!」 半ば諦めモードだったため、ぞんざいに開けたロッカーから倒れこんできたのは花子の腰ほどまである長い棒状のものだ 慌てて音を立てぬよう受け止めると、それは錆びついて茶色や緑の色の錆が目立つロングソードだった 「これは刀……いや、剣か、長さ的にロングソード?あちゃ~…これはきちゃったパターンかな~?」 身の半分ほどもある西洋剣を見て、苦笑いが浮かぶ 暗号らしき紙にバケモノ、そして現実世界ではない武器、ときたら…… 「こりゃ脱出小説ルート決定だわー」 諦めたように笑いながら見下ろすその剣は、外の赤い月の光を反射せず花子の手に暗い影を落としていた (手にしたものは希望か)(それとも絶望か) prev next 6/34 back |