世界にさよならを | ナノ


「…さて、あとは数字の方だけど…」
「うーん…当て字で読むとかか?1 5 15 15 24は『いご いちご いちご にし』…?」
「おお、なるほど!囲碁と苺と西か!」
「ふはっ、意味通んねぇろバァカ」
「んだとてめぇ…!!」

実渕の言葉に唸りながら答えた宮地の言葉にパッと明るくして小金井が賛同するが、それを馬鹿にしたように花宮が茶々をいれる

ああもう!反感買うの分かってやってんだからたち悪いよまったく…構ってちゃんのツンデレかお前は…萌えるわ!!←
でも口調からして花宮はわかったっぽいな…
花子がこっそり周りに視線を走らせると、他にも頭脳明晰組の赤司、今吉、緑間あたりも考えを巡らせながらもどこかわかったような顔をしている
けど、さっき解読した「ナイトライダー」や「グラスホッパー」には聞き覚えがあるんだよねぇ…
なんだっけ?確かネットのゲームであったような……

「花宮、それくらいにしぃな。だいたいわかってんのやろ?」
「花宮、これはどういう意味なんだ?」
「チッ、なんで俺が…いいか、数字は1から9じゃなく、デカくて24まである。っつーことはそれぞれが意味があるってことだ。」
「はぁ?どーゆーことだよ?」
「あー…なーる。つーまーり、それぞれの数を置き換えるってワケね☆」
「だからそれがなn「20くらいしか数がないってことは平仮名ではない。よって当てはめるのはアルファベットだ」

おおう…霧崎の3コンボ…仲良しだなホント(笑)

「あ、そーか!アルファベットは26までだもんなー!んじゃ俺のは『21 18 18 14』だから…『URRN』であとはさっきのと同じか!」

「すみません矢凪さん、メモ借りてもいいですかー?」と気の抜ける笑顔でお願いしてきた小金井に笑顔でメモもペンを差し出す
いやーマジ猫みたいで和む…
背中を丸めてメモに忙しなく暗号を書く姿を見て和んでいると、できた!という声と共に立ち上がる

「俺は『URRN』だから『ROOK』!ルック…?」

声を上げると共に前に並んでいる紙の一つが燃え上がるが、単語の意味がわからず首を傾げる小金井

「えーと、あ!『汝、ルーク  闇をを光で照らす者』だって!なんかカッコイイね!」
「そうだな!なんか神様みたいだな!」
「…おい、誰かツッコんでやれよ…」
「無理です。日向先輩も火神君もいないので…」

小金井と木吉のボケの応酬に呆れたように宮地が黒子に言うが、洛山の誰かのように死んだ目で黒子が答えている
黒子、苦労してるんだな…
小金井のアイテムは杖で、先ほどまで煤けていたように黒く変色していた背丈の半分ほどまである木の棒が、白く装飾の掘られた杖に姿を変える
それを見てはしゃいでいる小金井たちを尻目に、緑間が眼鏡をあげ話しだす

「では俺のは『3 10 20 9 16 17』で『GJTIPQ』だから、『BISHOP』か…」

あっという間に暗号を解いた緑間の紙が燃え上がり、また文字が浮かぶ
だが、それを見た緑間の眉間の皺が深くなる

「『汝、ビショップ 命の灯を担う者』…赤司、これは……」

不愉快さを滲ませるように顔を険しくし赤司を振り返る緑間に、疑問符を浮かべながらも周りの部員たちも注目する
ナイトライダーに続いてルークに、ビショップ…
これって……!

「俺のは『8 6 11 14』で『HFKD』…つまり『KING』」

赤司の言葉にまた一つ紙が燃え上がる

「『汝、キング 率いる者』か…ルーク、ビショップにキング。これには聞き覚えがある者もいるだろう?」
「ルークにビショップ、キング…あ!ゲームのチェスの駒の名前?」
「そや。つまりは俺達にはチェスの駒の役割があるっちゅーことやな」
「でもまってくれ!じゃあナイトライダーやジョーカーとかはなんなんだよ?」
「ナイトライダーやジョーカー、ローズは変則チェスに出てくる駒の名前だ…まあ例外もあるが」

桃井・今吉の答えに福井が納得がいかないように食いつくが、花宮が何やら目配せをしながら答える
変則チェス…やっばり…!!

「『Fairy Chess』…」

溢れ落ちるように口から出た言葉が脳に届き、ジワジワと染み渡るように言葉を理解する
それにつれてゾワゾワと悪寒のようなものが背中を這う

「ふぇありー、チェス?何ッスかそれ?」

花子言葉に訝しそうに顔を歪める黄瀬や訳がわからないという顔をする者に、花宮が声を上げる

「『Fairy Chess』チェスにも色々な種類があってその一つだ。元にある6つの駒の他に、ナイトライダーみたいな特殊な駒があるチェス。誰かさんは知ってたみたいだな?」

説明をしながらも花子を嘲るように目をむける花宮に内心舌打ちをする
やっべ、また変なとこで疑われる要素作っちまった…!だけどFairy Chessの駒ってことは…

「つまりワシら駒で、あのバケモンは敵側の駒っちゅーことや」
「てことは…」

今吉の言葉で気づいた者もいるのかサッと顔を青ざめる

「俺達はこの悪趣味な『ゲーム』に招待されたという事です。勝つにはあちらの『キング』を取らなければならない……戦って」

赤司の言葉に火傷をした右手を握りしめる
死亡フラグ建ちまくりじゃねぇか!ふっざけんな!

(命のゲーム)(『Fairy Chess』start)
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