「つってもよー…これ暗号だよな?」 紙を持って集まった中、宮地が眉間にシワを寄せ頭を掻く 「俺のは数字だし、分けわかんねぇ…」と呟きながら紙を睨みつける 「これは英単語ではないよ。ただのアルファベットの羅列だから、区切ったりして解読するんじゃ…?」 氷室は自身の紙を見ながら口元に手を当て考えこむ うっ…まともに氷室さん見たの初めてだけど、凄まじい色気…なんだよあの泣きボクロ、殺す気か 関係ないことを考える花子の横で黒子が静かに口を開く 「…『鍵は6歩』とついてるのはこのアルファベットや数字を置き換えて、この数だけ動かす、という事でしょうか…」 並び替え…?私のは『鍵は1歩』だから、1つ動かせばいいのか? 頭で考えるだけではこんがらがってきそうだった花子は持っていたかばんから先ほどのメモとペンを取り出す 花子の行動に周りは注目し見つめる中、メモに自分の暗号である『BNBAPO』を書き出す その下にアルファベットを1つ動かした暗号を書く 『COCBQP』…これじゃ意味が通らない、1つ前に戻すのか…? 今書いた暗号を二重線で消し、その下に1つ前に動かしたアルファベットを書いていく A…M…A…Z…O…N…これって…? 書いたアルファベットは花子が以前よく使っていた通販サイトや他の国の地名で聞いたことのあるものだった 思わずその単語を口ずさむ 「『AMAZOM(アマゾン)』…?ッッあっついッ…?!」 「ッなんだ?!!」 「みんな、下がるんだ!」 書き上げたメモと暗号の紙を持っていた花子だったが、その単語を呟いた途端持っていた紙が真っ黒い炎に覆われ、あまりの熱さに声を上げて紙を手放した 花子の様子を黙って見ていた一行だったが、いきなり燃え出した紙に驚き、赤司叫ぶと警戒しそれから距離をとった 紙はメラメラと炎をあげているが不思議と燃えず、白い紙がみるみるうちに黒い紙に変わり先ほどの暗号が消え、赤い文字で文章が浮かび上がる ヒリヒリと痛む手をそのままに警戒のため剣を持ち、花子は恐る恐るその文字を読み上げた 「…『 汝、アマゾン 敵を倒し、道を切り開く者 』」 震える声で花子が呟く中、花子の向かい側にいたさつきが異変に気付き声を上げる 「花子さんっ…剣が!」 さつきの声に黒い紙から花子の持つ剣に目を向ける 「な、に…?これ…」 花子の持っていた剣は鈍く輝きながら持っている所から色を変えていた 錆つき、緑や茶色に変色していた鞘は光を放ち中心から広がるように真っ白な色に姿を変えていく 突然の出来事だったが、花子は手を離さずに剣を光が包みすべてが真っ白な色に変わるのをただただ眺めていた 信じられないような現象が続き、驚きであたりが静寂に包まれる中、花子は真っ白に変わった剣を握りしめて静かに呟く 「信じられない。でもこの剣の感触も、手の痛みも本物だよ。私達はこれで戦って、ここを出なくちゃいけない」 驚きで静まり返っていた一行だったが、花子の声で緊張が走ると同時に、皆の目に強い意志が宿るのを感じた _______ 一旦切ります prev next 17/34 back |