デリカシーのない話[DQ3/盗♂+勇♀]
パーティーは前回と一緒
勇者イロハは今回♀でお送りします
盗賊♂イズナ
賢者♂テン(遊び人派生)
賢者♀アルミネ(元・僧侶)
どこかでなにか間違えた。
ギャグです
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ソファーの上で胡座をかいて、イロハは出来立てホヤホヤの王者の剣を眺めていた。鞘から何度も抜き差しを繰り返しては、今までにないその精鋭な感触を、目と肌で堪能する。その瞳は、新しいオモチャを手にした子供のような、キラキラと輝いていた。
「…」
正面の席で新聞を眺めていたイズナは、ちらり年頃の少女が胡座をかいて大剣を眺めている姿を一見し、
「色気無いな」
表情一つ変えずに、ぼそりと呟いた。
(今更、か)
もう慣れてしまったのか、全く動じることはなかった。
剣に夢中のイロハは気が付かなかったようである。
「凄いなぁ…これ」
口に出して呟いた。
「判るのか?」
満面な笑顔でイロハは頷いた。
「ジパングの技術には驚いたよ、様々って感じだ」
「そうか」
「コレクションの一つにどう?イズナ」
ゾーマ倒したあとの話になるけど?
「…そんな重い剣には興味ない」
「重い?」
「何足したらあのオリハルコンがそんなバカ重い剣に化けるかな、理解し難い」
「そんな重たいかな?別に普通だけど?」
鞘から抜いて剣先を軽く振るって、イズナに見せつけるようにして構える。
「怪力娘」
イズナは一言呟いた。
「かいっ…?!」
「がさつで怪力しか取り柄がないとかもう女としては致命的だぞ」
「がさつで悪かったな」
「口も悪いし。せめてあの海賊の頭領ぐらい色気が有ればな」
「がっかりだな」と付け足したが、口で言うわりには、それほど気持ちが動いている様ではなかった。
「はぁ…?」
イロハはポカンと口を開いたまま、返す言葉も無くして呆然とした。
「おまけに成長の(兆しすら)見えない貧乳」
胸の話が飛び出した瞬間、ばっとイロハの顔は赤くなった。
「なに言ってんの?何の話?」
「気をつけないと只でさえ薄い胸も筋肉になってしまうかもな」
「ちがっ…!これは薄いんじゃなくて!」「ああ、もう手遅れなのか」
「てっ…!」
「鉄板娘」
フッと笑ってイズナはさらにトドメの一言を告げた。
「〜〜〜っ!」
次の瞬間、宿屋の一角の窓硝子が激しい音を立て割れ、そこから一本の鞘が飛び出した。
鞘は勢い良く一直線に飛んで行き、その先にある大木にガッツリ突き刺さった。ぶるぶると小刻みに震え、やがてそのまま動かなくなった。
「…あれはイロハの…」
それを野外で偶然目撃してしまったアルミネは、目新しいその鞘を見て、手にしていた紙袋をバッサリと地面に落とした。
「どうした?」
背後から呼ばれ、ハッと我に返る。
時間を置いて現場にやって来たテンだった。硬直していたアルミネを不思議げに眺める。
「…なんでも…ない」
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イズナは無傷です
装備出来ない→重くて使えない
のイメージ
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