but I think you've got the fact wrong[シオン→クレア]
シオクレに成りえなかったガッテム!
やっぱりどこかで間違えた
後半シーたん超必死。
つっこむシオンです
イメージ壊したらごめんなさい。
時間的にWeb版二章ラスト後
ちょっと追記しました(7/31)
*******
王の目から逃げる勢いでアルバ達と別れ、再び旅立ったあの日から、一週間くらいは過ぎただろうか…。
よもや珍しくなどなくなってしまった焚き火を前にして、
「シーたんやっぱり器用だねー」
改めて感心するようにクレアは呟いた。
枝を手に焚き火の火力を調整しながら、シオンは大した事はしてないと返す。
「というか、いい加減お前も火の起こし方くらい覚えろよ」
「簡単に言うけどシーたんさぁ…、難しいんだよ?それ」
「気合いが足らないんじゃないか?」
「気合いって、まさかシーたんからそんな根性論を突きつけられるとは思わなかったよ」
クレアはそう言って枝を手に横から火をつついた。
「…悪かったな。俺もお前が根性論なんて言葉を知ってるとは思わなかったよ」
「そっかー凄いなぁ俺」
悪びれる気など全く無いシオンが、適当に返すと、クレアは笑って、ちょっとだけドヤっとして見せた。遠回しにバカにされていることには気が付かなかった。
「まぁ…努力はするから、それまでちょっと待っててよ」
すこし身を前に乗りだし、シオンの顔を覗き込む。
「ね?」
「…」
にへっと緩い笑顔のクレアと目があって、シオンは直ぐに視線を逸らした。
「シーたん?」
「…なんでもない」
その振り返った瞬間に飛び込んできた、クレアの笑顔と
「???」
赤いチュニック。
この服は勇者アルバのいわゆるお下がりである。
それほど長い時間では無かったが、シオンが戦士ロスと名乗り、一緒に旅をしていた頃、アルバが着ていたものだった。
(そういや…今頃なにしてるんだろうな、あの人…)
懐かしい姿が脳裏に浮かび、そういえばと思い出す。
アルバとの旅が始まったばかりの、まさに初めての野宿となった時の話だ。
今日と同じように火を起こし、焚き火を作ったら、アルバから同じような反応がかえってきたのだ。
『戦士はすごいなぁ』
『このくらい出来て当前なんですよ勇者さん。大体貴方はねぇ……』
それはそれはネチネチと、くどい迄に好き放題の暴言を吐いてやったというのに、がっつり凹んでいたかと思いきや、切り替わりの速さはクレアと同等か、最終的にアルバはさして応えてはいなかったのだ。
(全く、どいつもこいつも図太いな…)
「どうかした?」
「どうもしない」
「なんか顔が綻ん…アイタ!」
思わず手がでてしまった。
額を抑え、クレアが半泣きで訴える。
「シーたん痛いよ」
「気のせいだ」
「いや痛いって」
「気のせいだよな?」
「…気のせいです」
枝で焚き火突きながら、知らぬそぶりでいるシオンの目からは、殺気のようなオーラが滲みでいた。
「むー」
不満げに小さく唸るクレアを尻目に、シオンは一つため息をついた。
しかし切り替えが早いせいか、次の瞬間には、ねぇねぇと、枝を手にするシオンの腕に触れ、問いかけた。
「シーたんさぁ」
「今度はなんだ」
「この服みて時々ニヤニヤするよねー?」
「は?」
「やっぱりアルバくんを思い出すのかな?」
「…はぁ?!」
想定外の問いかけに、思いのほか動揺したシオンが向き直ると、クレアは口に手を当てて、只ニヤニヤしていた。「シーたんは本当にアルバくんが好きなんだね」
「…?」
そして開いたかと思えば、なんとやらである。
(俺がなんだって?)
“アルバくん”?がなんだって?
(!)
「…はぁー!?」
クレアの言っていることがすぐに理解出来ず、固まってしまったシオンは、少し間を置いてからようやく理解できたのか、その瞬間、堪らず声を上げた。
「そんなに気になるなら、連れてくれば良かったのにねー」
「…」
「でも断られてそれ以上押せなかったんだよねー」
(何を言い出すんだ…こいつは…)
唖然とするシオンに構わず、クレアは続ける。
「いやぁ、アルバくんはやっぱりすごい人なんだなぁ」
「く…クレ…ア?」
(ちょっとまて何の話なんだ?)
クレアの語っていることが全く理解出来ない
「だって、シーたんがこんなにムキになっちゃうんだもんねー?」
「ちょっと待て、クレア」
「うん、解った!」
笑顔がひきつり、強ばってしまったままのシオンに構わず、クレアは腕を組んで首を縦に振り自信有り気に頷いてみせる。
(わかった?って?何が?)
「もう心配いらないよシーたん」
「しっ…心…配…?」
(心配って何だ?)
「そういうことなら、次の街で服買うから」
それまではもうちょっと我慢してね?
付け足して、クレアはシオンの肩をポンポンと叩いた。
「お前…なんか盛大に勘違いしてるんじゃないか?」
「えー?」
「いや…俺はべつに勇者さんの事そんなふうに…」
「もー、シーたんってばー!今さらそんなツンデレみたいな事言わなくても良いってー」
やだなぁーと、クレアはバシバシとシオンの腕を容赦なく叩いた。
「誰がツンデレだ!」
「相変わらず素直じゃないんだからー」
勢いで返したシオンに、クレアは動じることなく笑って返した。
そーゆうところはさー、シーたん昔からちっとも変わらないねー
「だっからっ!…そーじゃないって!」
「けどそんな心配しなくても、オレちゃんと解ってるから」
今度は何を思ったのか、クレアは突如シオンに抱きつき、子供をなだめるような勢いで背中をポンポンと優しく叩いた。
「ね?」
と、再び笑ってみせた。
(…い、嫌な予感しかしねぇ…)
シオンの顔がみるみるうちに青くなって行った。
「違う…。お前は何も解っていない!いいか?クレア、俺はおま…「はいはい、オレはシーたんの味方だよー。いつでも応援するよ!あ、でももうそろそろ眠くなってきちゃったから、先に寝ていい?」
問いかけながら返事を待つ前に横になったかと思うと、クレアは次の瞬間にぐう、と寝息を発てた。
「クレアっ…!おいっ!」
シオンはバチバチとクレアの顔を叩き、起こそうとするが
「馬鹿野郎っ…起きろ!勝手に納得してんな!」
「むにゃむにゃ…おやすみシーたん…またあし…」
「おやすみじゃない!起きろ!クレア!話はまだ…っクレア?!クレアー!!」
クレアは全く動じなかった。
また明日、と言おうとしたのか、最後までは聞き取れないうちにクレアのそれは穏やかな寝息に変わった。
(こっ…この野郎…っ!)
「俺はっ…!」
完全に落ちたクレアを眺め、シオンは舌打ちを交わすと、言いかけて止めた。
おわります
*******
シーたん→→→(50m城壁)→→→クレア
みたいな感じ(かっこ内の数値はイメージです)
激しく遠い。
立体起動付け(強行手段に出)ないと到底届かないし絶望的みたいな。
クレアはシオンがアルバくんを好きだと盛大に勘違いしているという話でした。
クレア自身の本音がどうなっているかはとりあえずそのへんに転がしといてください。
シオンの気持ちに気がついててやってたとしても、それはそれでかわいいかもですね。
勇者さんの事を思い出して綻んで見えているらしいシオンさんですがこのへんも仕様です。実際露骨にニヤついてる訳じゃないのですが、ほんのり楽しそう、みたいな。
古い付き合いのクレアじゃなきゃ解らないくらいのレベルです。
口でいう割にシオンさんがアルバの事を気にかけているのも仕様です。無意識です。
続きは考えてないのですがクレア次第でどうとでも転がるような仕様になっております。
クレアはなにも考えて無さげに見えて考えてそうな感じするんだけどどうなんだろう
現段階での三章のシオンさんはクレアとの旅を大事にしつつ勇者さんを気にかけるという(俺フィルター)謎の二股状態で今後どうなるのか楽しみです。
誰かを連れ歩くのを目的とした旅をする人間が誰かの家庭教師する為に月1で帰って来るって不思議な設定だと思いませんか…両方気にかけてる証拠じゃないですか(家庭教師してるのが本物のシオンならばという話前提ですけど、)
ちなみにタイトルですが
but I think you've got the fact wrong
私はあなたが誤解をしているとおもう、とかそんな感じですたしか
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐