赤司が結婚する、と聞いたのは高尾からだった。 どうしてか、赤司自身が高尾に電話をしてきたらしい。 「真ちゃん呼べってさ。自分で呼べって感じだよな」 案外心は静かだった。 「高尾、お前も来るのだろう?」 「…真ちゃん、行くの」 「当たり前なのだよ。新郎に誘われたのだから」 高尾が複雑そうな顔をした。 心配性が過ぎるな、こいつは。 「途中で帰りたくなったら言えよ?」 「帰りたくなんてならないのだよ」 そう、と高尾が目を伏せた。 「肌に優しいティッシュ買ってくるね」 財布を持って、高尾が立ち上がった。 そんなに泣きそうな顔をしていたか ≪ ≫ |