丸い月が、青く輝いていた。
「青い月って、現実で初めて見るわー」
「オレもなのだよ」
「いいねぇ、季節外れのお月見」
高尾が、目を細めた。
あの赤い瞳が細められるように、美しく。
高尾がオレの手を握って、オレも握り返して、ゆっくりと、指を絡ませあった。
「真ちゃん、手、冷たいね」
「お前は、暖かいな」
薄い唇が、緩く弧を描く。
「エース様、オレはこの手を離さないよ」
「気色悪いからやめろ」
「ひでぇ!」
だって離したら君が死んでしまいそうだ
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