「何の為に来たのだよ」

「お前と話したくて、ね」

「話す事など無い」

「そう言うなよ」

赤司が小さく笑った。

「ねぇ、今でも真太郎は僕を好きかい?」

「好きじゃない」

「そうか。…思うんだ、あの時別れを告げなかったらって」

「…何も変わらないのだよ。どうせオレとお前は道を違える」

それに気付いていたから、お前は別れたのだろう。

「…僕はね、正しいんだ。僕は正しい」

「何の話だ」

「僕が選んだ道が、正しいんだよ」

「だからなんだ」

「…分かっているくせに」

いつかのように、頬に触れられる。

窒息しそうだ。

「そうだろう?」


そうだな、お前が言うならそうなのかもしれない。


君が正しい


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