友人、という言葉が現実味を帯びたのは、高尾に出会ってからだった。
「オレは真ちゃんが大事だよ。だから幸せになってほしい」
高尾は時折、水が溢れ出すように優しさを零す。
オレに触れる手は、オレへの情を示していた。
「真ちゃんが望むなら、オレが守ってあげる」
あたたかい。
きっとオレは高尾に甘やかされている。
しかし、例えそれが正しくないとしても、オレはもうこの手を離せない。
「さながら囚われた鷹だな」
それでもいいよ、と高尾が囁いた。
絡まった蔦を無理に引き千切る必要は無いのだから
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