どうしてか、笠松は緑間といた。 なんでだ、と笠松が脳をフル回転させる。 苦笑いしながら手を振る黄瀬が浮かんで、そうだった、と納得した。 買い物をしに出かけたら、道でばったりと黄瀬に会ったのだ。 そこには彼と同じくキセキの世代、緑間もいた。 ぺこり、と頭を下げた緑間を思い出す。 そこで他愛の無い話をしていたら、いつものように黄瀬がファンに囲まれてしまった。 変装はしているらしかったが、普通にバレバレだった。 そのまま黄瀬は逃げて、笠松達は待ちぼうけ、という事だった。 「いつも黄瀬がご迷惑ばかりおかけしていて、すみません」 「ん?おお、いいよ」 緑間が謝る事では無いのに。 笠松はそう思う。 というか、笠松は別に黄瀬を待つ必要は無い。 別にいっしょに過ごすつもりも無かったのだし。 けれど、なんとなくその場を動かなかった。 「黄瀬って昔からあんなんなのか?」 「俺が知っている黄瀬は大体あんなんです」 「ほんとか、ご愁傷様」 「被害は主に黒子と青峰だったので大丈夫です」 「透明少年とキセキのエースか」 そういえばこの前また何か迷惑をかけたらしい。 ふと思い出して、笠松は後でシバこうと決意した。 「…まぁ、悪い奴ではないのですが」 「……そうだな」 目に痛い黄色が向こうで笑っている。 ぶんぶんと振られる腕に、2人は笑みを零した。 |