真ちゃんと宮地さんは付き合っている。らしい。 噂とかそういうものではないけれど、宮地さんがそう言っていた。 あの人はそんな嘘はつかない。 例え冗談でも、オレの想いを知ってるから、そんな事言わない。 そういう、優しい人だ。 だからこそ、打ち明けてくれたんだろう。 そんな優しい人だから、きっと真ちゃんを幸せにしてくれる。 なんて素晴らしい事だ。 泣く必要なんて無い。 真ちゃんの選択に傷つく権利は無い。 オレは、何も伝えてないのだから。 ああ、どうか、どうか、君が幸せでありますように。 ------------------- オレは卑怯だ。 最低な事をした。 あいつがいつまで経っても何も言わないから、痺れを切らしてオレが抜け駆けをしてしまった。 付き合う事になったと告げた時、あいつは作り笑いを浮かべた。 その瞬間、オレはとてつもない罪悪感に蝕まれた。 なんて事をしてしまったのだろう。 オレはあいつを傷つけたのだ。 それでも、あいつは笑った。 緑間の幸せを願っての事だろう。 幸せにしてやって下さいね。 そう言ったオレンジの瞳に、オレは泣きそうになった。 ああ、どうか、どうか、彼を幸せにする事で君が幸せになれますように。 |